2004 Fiscal Year Annual Research Report
光機能界面を集積化したマイクロチャネルによる微小空間反応制御
Project/Area Number |
14050024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金 幸夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (40186367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
火原 彰秀 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (30312995)
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Keywords | マイクロチャネル / マイクロ電極 / フォトクロミズム / 光触媒反応 / マイクロ流体制御 |
Research Abstract |
本研究では、ガラス基板上に微細加工技術を用いてサイズ・流路パターンを自在に設計できるマイクロチャネルに、マイクロ電極やパターニングした化学修飾界面を集積化し、マイクロチャネルの特長を利用した新規化学プロセスを開発することを目的とする。これまでに、種々の電極材料によるマイクロ電極の集積化法の開発と、化学機能界面としてフォトクロミック色素を修飾し、これを利用したマイクロ流体の光制御を実現した。本年度は、(1)電位制御可能な酸化チタン薄膜修飾チップを作製し、光触媒合成反応の電位制御、(2)フォトクロミック色素修飾による光流体制御の定量的解析とピコリットルレベルの秤取を行った。(1)については、L-ピペコリン酸のワンステップ合成において、原料L-リジンの転化率、生成物の選択率ならびに光学収率が電位に依存することを見出し、最適条件ではL体の収率を向上できた。(2)では、マイクロチャネル中での分離能がラプラス圧によって決まること、内壁をナノサイズのコロイダルシリカで修飾することにより、分離能を2倍向上できることを見出した。気水分離、油水分離などの光制御可能な相分離デバイスへの応用に加え、マイクロ定量反応チャンバ、さらには光によりピコリットルオーダーの秤取量を制御できるマイクロピペットの作製に成功した。同様なことを酸化チタン微粒子と疎水膜修飾によっても成功した。これらの結果は、マイクロ化学プロセスに体積を基準としたプロセスを加えることを可能にしたほか、光照射量により連続的に濡れ性・ラプラス圧を制御できる手法を与え、これらを利用した新規プロセス応用の展開を可能にすると考えられる。
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Research Products
(3 results)