2003 Fiscal Year Annual Research Report
LB法を利用した無機有機ハイブリッド膜の製作と光エネルギー変換機能の開発
Project/Area Number |
14050027
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山岸 晧彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70001865)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 徳治 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40124630)
|
Keywords | 有機・無機ハイブリッド薄膜 / 光-電気エネルギー変換 / キラルセンシング / 高分子ナノシート / 金属ナノ分子 / 方向制御された電子移動 |
Research Abstract |
本研究では、層状無機酸化物と金属錯体との複合膜を用いて、光機能性センサー膜の構築をめざした。そのためにまず、粘土粒子が水中で無限膨潤することを利用したラングミュア・ブロジェット法による粘土単一層超薄膜および人工積層した粘土多層膜の製造を行った。つぎに、そのようにして製造された構造規則性を有する粘土層積膜を用いて、電気化学測定によって電流値の大きさからキラルな有機分子の同定を行った。行った実験は以下のとおりである。 有機長鎖アルキルアンモニウムの単分子膜を水相上に形成した。水相中には、単層剥離したナトリウムモンモリロナイトが含まれる。これをシリコン基板にZ膜として積層した後、メタノール中に浸し有機層を取り除いた。その後あらたに、水溶性のRu(II)錯体([Ru(phen)_3](ClO_4)_2)を含む水溶液に漬けこの錯体を吸着させた。これら各段階で得られた薄膜をAFM、外部反射赤外分光法、in-plane XRDおよび鏡面X線反射法によって解析した。その結果、シリコン酸化膜上に形成されたモンモリロナイト単一層膜の上に水溶性の金属錯体が吸着し単分子層を形成することが確認された。また、同様な修飾電極を光照射し、得られた光電流の大きさによってキラル分子の検出を試みた。その結果、Ru(II)ポリピリジル錯体と粘土薄膜との複合膜で修飾したITO電極はキラル分子として1,1'-ビナフトールの絶対配置を含めて検出できることが解った。(宮下)金属ナノ粒子・高分子ナハイブリッドナノシート集積体の構築を目指した。そのために、ルテニウム錯体やフェロセン等を含有する高分子ナノシートをラングミュアー・ブロジェット法により作製し、方向制御された光電子移動システムの構築を行った。さらに、このようなナノ領域での光機能界面での光機能発現のため、金、銀などのナノ粒子系とナノシートのハイブリッド系を構築し、表面プラズモンを利用した効果的な光励起法について検討した。本予算で偏向顕微鏡を購入し、膜表面の観察を行った。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] N.Hoshino, Y Matsuoka, K.Okamoto, A.Yamagishi: "Δ-[Ru(acac)2L] (L= a Mesogenic Derivative of bpy) as a Novel Chiral Dopant for Nematic Liquid Crystals with Large Twisting Power"J.Am.Chem.Soc. 125. 1718-1719 (2003)
-
[Publications] H.Sato, K.Ono, T.Sasaki, A.Yamagishi: "First-Principle Study of Two-dimensional Titanium Oxides"J.Phys.Chem.B. 107. 9824-9828 (2003)
-
[Publications] S.Takahashi, R.Tanaka, N.Wakabayashi, M.Taniguchi, A.Yamagishi: "Design of a Chiral Surface by Modifying an Anionically Charged Single-layered Inorganic Compound with Metal Complexes"Langumuir. 19. 6122-6125 (2003)
-
[Publications] J.Matsui, M.Mitsuishi, A.Aoki, T.Miyashita: "Optical Logic Operation Based on Polymer Langmuir-Blodgett-Film Assembly"Angew.Chem.Int.Ed.. 42. 2272-2275 (2003)
-
[Publications] Masaya Mitsuishi, Shinji Kikuchi, Tokuji Miyashita, Yutaka Amao: "Characterization of an ultrathin polymer optode and its application to temperature sensors based luminescent europium complexes"J.Mater.Chem.,. 13. 2875-2879 (2003)
-
[Publications] Hiroyuki Tanaka, Masaya Mitsuishi, Tokuji Miyashita: "Tailored-Control of Gold Nanoparticle Adsorption onto Polymer Nanosheets,"Langmuir. 19. 3103-3105 (2003)