2004 Fiscal Year Annual Research Report
LB法を利用した無機有機ハイブリッド膜の製作と光エネルギー変換機能の開発
Project/Area Number |
14050027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山岸 晧彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70001865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 徳治 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40124630)
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Keywords | 有機・無機ハイブリッド薄膜 / 光-電気エネルギー変換 / キラルセンシング / 高分子ナノシート / 金属ナノ粒子 / 方向制御された電子移動 / 光機能性液晶 |
Research Abstract |
(山岸)本研究では、水中に分散した粘土粒子と両親媒性分子とのハイブリッド膜をラングミュア・ブロジェット法によって製造し、光電流をモニターする電気化学測定によって溶液中のキラル分子の検出を行うことを第一の目的とした。これについては、前年度の成果をもとにより広範囲の分子について、検出感度、不斉識別能の検討を行うことができた。第二の試みとしては、粘土鉱物とキラル錯体との付加物を光増感時として有機分子の不斉合成を行うことを目指した。本年度は、2個の不斉中心を有するスルフォキシドの合成を試みた。その結果、最高で50%程度の光学収率で光不斉酸素化を実現できた。これは無機担体を用いた初めての光不斉合成である。第三の試みとして、キラルな金属錯体をドーパントに用いて、光応答するキラルネマチック相の構築を行った。このために光ラセミ化するCr(III)錯体を合成し、光照射によってキラルネマチック相の螺旋ピッチが大きく変化することを見出した。今後はこれを用いた光メモリーへの応用を目指している。 (宮下)ITOガラス基板上にルテニウム錯体と銀ナノ粒子を有するハイブリッド高分子ナノシート集積体を構築し、ルテニウム錯体励起による光電流の大幅な増加が観察された。銀ナノ粒子近傍に発生する表面プラズモン共鳴による電場増幅効果を達成することができた。銀ナノ粒子のみの場合では光電流が検出されず、銀ナノ粒子直接の光電流の寄与はないことがわかった。
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Research Products
(7 results)