2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14050055
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真嶋 哲朗 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00165698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤乗 幸子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50197844)
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Keywords | TiO_2光触媒反応 / 光機能界面 / ラジカルカチオン / -電子酸化 / -電子還元 / 過渡吸収測定 / レーザーフラッシュホトリシス / 単一分子蛍光イメージング |
Research Abstract |
酸化チタン(TiO_2)光触媒は、自然のエネルギーである太陽光のみを利用して有機物を分解することができる。本研究では、TiO_2光触媒による有機化合物の分解における重要な初期過程である一電子酸化反応の詳細について明らかにすることにより、高効率・高選択的な光触媒反応系の構築を目指している。本年度は、1)ポリ酸(POM)修飾TiO_2光触媒反応の一電子酸化、および2)非接触TiO_2光触媒反応の一分子蛍光イメージングについて検討した。1)では、TiO_2から表面吸着したPOMへの電子移動および一電子還元ポリ酸(POM^-)の励起状態からの電子移動過程を明らかにした。POMはTiO_2の355nmレーザー励起に生じる伝導帯電子を捕捉し可視領域に吸収を有するPOM^-となる。POMによる電子捕捉により、捕捉ホールによる芳香族スルフィドの一電子酸化反応によって生じるラジカルカチオンの生成量が二倍程度増加した。また、POM^-を第二の532nmレーザーによって光励起することにより、POM^-の励起状態からTiO_2への電子注入およびTiO_2ホールと注入電子との再結合過程を観測した。また、メチルビオロゲン(MV^<2+>)を添加し、TiO_2への電子注入を抑え、電子をPOM^-として貯蔵することに成功した。2)では、カバーガラス表面に修飾した蛍光色素が非接触TiO_2光触媒酸化によって退色する過程を全反射蛍光顕微鏡により観察した。色素の退色速度はTiO_2と色素との距離が増加するに伴い著しく減少した。いずれの距離においても、紫外光照射領域がおよそ7×10^2μm^2であるのに対し、色素の退色領域は8×10^3μm^2以上であることがわかった。さらに、単一分子蛍光スペクトル、蛍光強度の分布および時間変化の測定から、非i接触TiO_2光触媒酸化による色素の退色過程には弱蛍光を示す中間体が存在することを明らかにした。
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Research Products
(55 results)