2002 Fiscal Year Annual Research Report
超親水・超撥水を利用した運動量・エネルギー輸送の制御
Project/Area Number |
14050072
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高田 保之 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (70171444)
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Keywords | 酸化チタン / 超親水性 / 相変化 / 接触角 / 沸騰・蒸発 / 紫外線 / スパッタリング / プラズマ |
Research Abstract |
固体表面の濡れ性は運動量や熱エネルギーの輸送に非常に大きな影響を及ぼす.本研究では,超親水から超撥水までの種々の接触角の表面を用いて,熱流動現象に及ぼす影響を組織的に調べることを目的とする.本年度は,酸化チタン表面,超撥水表面,およびプラズマ照射面における実験を実施した.このうち最も重要な成果であるプラズマ照射面の濡れ性の変化について報告する. 固体表面にプラズマを照射すると一時的に濡れ性を向上させることができるが,時間の経過とともに接触角は上昇し,初期接触角に戻る(1).今回作成したフラクタルなアルミ表面では,プラズマ照射した直後は水に対して拡張濡れであった.ところが接触角は時間の経過とともに増加し,15週間後に超撥水状態となる特異な性質を示した(2).前処理として,5種類のエメリー紙#320,#600,#1000,#1500,#2000で表面を研磨し,これら表面に対しフラクタル面を形成しプラズマ照射を行った.プラズマ照射時間は300sec,計測面は30mmφのアルミニウム表面を使用した.測定区間は1週間おきに計測し,真空引きしたデジケータで暗所保存した.今回作成した試料は,アルミニウムの粒子がフラクタルな表面を形成している.XPMの分析によると成分はアルミナである.この表面はプラズマ照射後は拡張濡れを示し,通常の表面より長時間親水性を持続することができる.水の接触角の時間的変化を長期間に渡って調べたところ,照射直後は接触角約0°〜4°と,拡張濡れから超親水性を示しているが,時間経過とともに約150°の超撥水状態まで接触角は上昇してしまうことが判明した. 今後は詳しい表面分析を行うとともに,接触角が変化する過程で適宜熱エネルギー輸送への影響も含めて検討を行いたい.液滴蒸発系に適用すれば,特に低温域において極めて良好な伝熱特性が得られると期待される.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 高田保之, 日高澄具, 山本弘志, 中村匡亨, 増田正孝, 伊藤猛宏: "液滴の蒸発に関する接触角の効果(光励起親水化現象を用いた接触角の制御)"日本機械学会論文集(B編). 68-671. 1911-1918 (2002)
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[Publications] Y.Takata: "Control of Surface Wettability by Plasma Irradiation"Proceedings of the Fourth Pacific Rim Thermal Science and Energy Engineering Workshop (PaRTSEE-4). 113-116 (2002)
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[Publications] Y.Takata, H.Kubota, T.Ito: "Boiling Heat Transfer to Subcooled Nitrogen from Thin Wire in Narrow Space"Proceedings of 2002 ASME International Mechanical Engineering Congress and Exposition, New Orleans, LA(CD-ROM). IMECE2002-IMECE34064 (2002)
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[Publications] Y.Takata: "Photo-induced Hydrophilicity and Its Applications to Phase Change Phenomena"Thermal Science & Engineering. Vol.10,No.6. 31-38 (2002)
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[Publications] 高田保之: "光触媒の超親水性と相変化伝熱への応用"混相流. 16-3. 15-18 (2002)
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[Publications] Y.Takata, S.Hidaka, M.Masuda, T.Ito: "Pool Boiling on a Superhydrophilic Surface"International Journal of Energy Research. Vol.27,Issue2. 111-119 (2003)