2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14050089
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
栄長 泰明 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00322066)
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Keywords | 磁性材料 / 光機能性材料 / スイッチング材料 / プルシアンブルー / 酸化鉄微粒子 / 分子集合体 / 光応答性錯体 |
Research Abstract |
固体薄膜磁性材料で、光照射により磁気特性を制御できる機能をもつ材料開発をめざし、その評価とともに研究を展開してきたが、昨年度まで「分子集合体を利用した光磁性制御」という新規な手法を用いてさまざまな光制御型磁性薄膜材料を創製してきた。なかでも、酸化鉄微粒子の表面に直接アゾ化合物を配位させた光応答性磁性ナノ微粒子を作製することにより、室温にてその磁気特性を可逆に制御することに成功した。本年度には、この光制御のメカニズム、アゾベンゼンの異性化による磁性への影響などの評価について詳細に検討し、その基礎的データを多く得た。実際に行った低温における磁性測定の結果や、さまざまなアゾ化合物を複合した場合のスイッチング効率などをふまえて、その原因やメカニズムについての知見を得た。本研究によって、磁性体金属の配位子場を光により変化させることにより、磁気的な相互作用にも影響を与え、磁化をスイツチできることなどが明らかになった。また、ナノスケールで精密制御されたプルシアンブルーナノ微粒子を逆ミセル法により作製し、どうような光応答性の付与も行った。この系においても光により磁性を可逆にスイッチすることに成功している。 さらに、光異性化前後の双極子モーメントの差が大きなスピロピランを用いた類似のシステムの構築も行った。その結果、それに対応して、より大きな光磁化スイッチング現象を室温にて観測することにも成功した。
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Research Products
(6 results)