2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト単結晶中および結晶・結晶間における光化学反応の計測
Project/Area Number |
14050100
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Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
橋本 修一 群馬工業高等専門学校, 一般教科・自然科学系, 教授 (70208445)
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Keywords | ゼオライト / 単結晶 / 拡散 / 光化学反応 / 蛍光 |
Research Abstract |
光化学的手法を用いてゼオライトに吸着された有機分子の吸着状態や拡散運動とそれに基づく化学反応を調べることを目的として研究した。ゼオライト吸着系では、吸着分子は細孔内拡散、細孔間拡散、粒子間拡散という3つの階層構造をもつ拡散過程を有する。本研究では、ゼオライト結晶間の分子移動とそれに基づく化学反応を、主として発光により視覚的および分光的に調べることを目的として、研究をおこなった。ゼオライト粒子間の分子移動の様式として、(1)離れた結晶間を分子が飛び移る、(2)接触している結晶間で分子が移る、(3)気相と平衡を保ちつつ移動する、などの機構が考えられる。我々は、光学顕微鏡を用いて、大気下で、透過像、発光像および発光スペクトルなどを観測しながら、分子移動の直接観測を試みた。 ゼオライト粒子間の分子移動の観測 phenanthrene(Phe)を担持させたゼオライトNa^+-X(粒径2〜3μm)と何も担持させないTl^+-Xとを混合した直後と、100℃で60min加熱しながら蛍光像を観測した。Pheを担持したNa^+-X粒子はPheの蛍光のため青く見えるが、Tl^+-X粒子ではPheの燐光のため緑色に見える。粒子どうしがコンタクトしている状態で、PheがNa^+-X粒子から何も担持してなかったTl^+-X粒子へ移動している様子が観測された。一方、naphthalene(Nap)を用いた場合は、場所を選ばず分子の移動が観測された。Napはゼオライト吸着状態と大気中で平衡になっていると予想される。このように、大気中で2つメカニズムによる分子の移動を観測した。 分子移動に基づく反応の観測 ゼオライトにドナーおよびアクセプター分子を同時に吸着させると電荷移動(CT)錯体の形成が観測される。Phe/Na^+-X粒子とTCNB(tetracyanobenzene)/Na^+-X粒子室温でを混合した場合、すでに混合直後にCT錯体の形成がおこりCT蛍光が観測されることを示す。また、benzophenone/Eu^<3+>-XとNap/Na^+-Xを混合して放置した場合、分子移動の結果、エネルギー移動によりNapの燐光が観測される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Kojima, M.Nakajoh, C.Matsubara, S.Hashimoto: "Photooxygenation of aromatic alkenes in zeolite nanocavities"J.Chem.Soc.Perkin 2. 1894-1901 (2002)
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[Publications] S.Hashimoto, S.Kirikae, S.Tobita: "A kinetic study on energy transfer between guest aromatic species and rare earth charge-compentating cations within zeolites"Phys.Chem.Chem.Phys.. 4・23. 5856-5862 (2002)
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[Publications] S.Hashimoto: "Zeolite Photochemistry: Impact of zeolites on photochemistry and feedback from photochemistry to zeolite science"J.Photochem.Photobiol., C : Photochem.Reviews. 4(in press). (2003)