2003 Fiscal Year Annual Research Report
オパール、逆オパール形状を持ったナノメータサイズの多孔性光触媒の合成
Project/Area Number |
14050104
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 治 財団法人神奈川科学技術アカデミー, 光科学重点研究室, 研究員 (80270693)
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Keywords | 光触媒 / 酸化亜鉛 / 超親水性 / 超撥水性 / スピン転移 / ストライプ構造 |
Research Abstract |
光触媒材料である酸化亜鉛の光照射による超親水性と超撥水性のパターンニング、及び、Fe(III)光スピン転移錯体[Fe(5-Br-qsal)_2](NO_3)・2CH_3OHのストライプ構造について検討した。 1.酸化亜鉛の超親水性と超撥水性 電気化学的に作製した酸化亜鉛膜は、酸化亜鉛がナノスケールでの棒状構造をしている。平均的なカラムの直径は約125nmであり、密度は24カラム/μm^2であった。フッ素コーティング後の前進接触角は167±0.7°後退接触角は159±0.8°であった。対照実験として、酸化亜鉛単結晶表面を同じ手法で撥水処理し、接触角を測定したところ、前進角、後退角はそれぞれ112°、82°であった。このことは、我々が作製した酸化亜鉛膜の接触角が大きいのは、表面のナノ構造によることを示唆している。さらに、酸化亜鉛が光触媒であることを利用して、光照射によりパターンを作製することを試みた。その結果、光を照射したところは表面をコートしている分子が分解し親水性になり、撥水性と親水性のパターンを形成できることが証明できた。 2.Fe(III)光スピン転移錯体のストライプ構造 [Fe(5-Br-qsal)_2]NO_3・2CH_3OH錯体は温度変化により、T_c=228K及びT_c=132Kで高スピンから低スピンへの相転移、Fe^<III>(t_<2g>^3e_g^2 : S=5/2) -> Fe^<III>(t_<2g>^5e_g^0 : S=1/2)を示した。X線構造解析より、100Kと273Kでは、結晶学的に独立な分子は一分子であり、それぞれ、低スピン状態、高スピン状態であった。また、中間相である173Kでは、独立な分子は二分子であり、低スピン状態を示す一次元鎖と高スピン状態を示す一次元鎖が交互に積層したストライプ構造をしていることがわかった。さらに、低温(5K)で光照射を行うとスピン転移が誘起され、ストライプ状構造を形成することが示唆された。このような、温度、光によるナノスケールでの分子配列制御は、分子素子構築の観点から重要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yokoyama, T., Takahashi K., Sato, O.: "A New Meatsatble Photoinduced Phase of Cu(II) Ethylenediamine Complexes Studied by X-ray-absorption Fine-structure Spectroscopy."Phys.Rev.B. 67. 172104 (2003)
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[Publications] Takahashi, K., Kawakami, T., Gu, Z.-Z., Einaga, Y., Fujishima, A., Sato, O.: "An Abrupt Spin Transition Based on short S...S Contacts in a Novel Fe (II) Complex whose Ligand contains a 1,3-Dithiole Ring."Chem.Commun.. 2374-2375 (2003)
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[Publications] Li, G., Akitsu, T., Sato, O., Einaga, Y.: "Photoinduced Magnetization for Cyano-bridged 3d-4f Hetero-bimetallic Assembly Nd(DMF)_4(μ-CN)_5Fe(CN)_5・H_2O (DMF=N,N- dimethylformamide)"J.Am.Chem.Soc.. 125. 12396-12397 (2003)
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[Publications] Sato, O.: "Optically Switchable Molecular Solids : Photoinduced Spin-Crossover, Photochromism and Photoinduced Magnetization."Acc.Chem.Res.. 36. 692-700 (2003)
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[Publications] Cui, A., Takahashi, K., Fujishima, A., Sato, O.: "Novel Co complex with high Transformation Temperature of Valence Tautomerism."J.Photochem.Photobiol.A Chem.. 161. 243-246 (2004)
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[Publications] 佐藤治: "分子性光誘起磁性物質の開発〜光化学の新領域"応用物理. 72. 731-735 (2003)