2005 Fiscal Year Annual Research Report
オパール、逆オパール形状を持ったナノメータサイズの多孔性光触媒の合成
Project/Area Number |
14050104
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 治 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (80270693)
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Keywords | フォトニック結晶 / 蛍光寿命 / コロイド結晶 |
Research Abstract |
フォトニック結晶中では、内部に入れた蛍光物質が発光する場合、発光波長がフォトニックバンドギャップ(PBG)に一致すると光が結晶中に閉じこめられ、励起状態の寿命が長くなると考えられている。そこで本研究では、最も基本的な三次元フォトニック結晶であるコロイド結晶(オパール構造・逆オパール構造)に蛍光色素(Rh6G)を吸着させ、その励起状態について検討した。本研究で用いたコロイド結晶は完全なPBGを形成しないものの、特定の方向に対して光の伝播を抑制するストップバンドをもち、その波長は結晶に対する検出角度によって変化することがわかっている。 寿命測定の実験の結果、ストップバンドがRh6Gの発光スペクトルに重ならない試料(粒径200nm)では、発光スペクトルの検出角度依存性は無く、蛍光寿命が3.34nsであることがわかった。これに対して、ストップバンドが重なる試料(粒径260nm)ではストップバンドに対応する波長の強度が低下し、検出角度の変化によって、蛍光強度が低下する波長がストップバンドに依存して短波長側にシフトしていることが観察された。蛍光寿命は3.20nsであり、ストップバンドによって蛍光寿命が短くなっているという結果が得られた。また、蛍光寿命の検出角度依存性は無いことが確認できた。 これまでの報告では、ストップバンドによる発光の抑制が注目されてきた。しかし、ストップバンドのバンド端で光の状態密度が増加することによって発光が促進されるという理論計算結果が示されている。この促進効果を考慮することにより今回得られた結果を説明できるものと考えられる。
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Research Products
(6 results)