2006 Fiscal Year Annual Research Report
オパール、逆オパール形状を持ったナノメータサイズの多孔性光触媒の合成
Project/Area Number |
14050104
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 治 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (80270693)
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Keywords | フォトニック結晶 / 液晶 / アゾベンゼン / ストップバンド / スイッチング / 光異性化 |
Research Abstract |
フォトニック結晶は、光の伝播を自由に制御しうる新規光デバイスとして近年大きな注目を集めている。我々は光スイッチング材料への応用を目指し、ストップバンドを電場や光で制御できる機能性フォトニック結晶の開発を進めてきた。本年は、光異性化分子と高分子液晶を複合化した、高性能の光機能性フォトニック結晶の開発を目指し検討を行った。 本研究で用いたフォトニック結晶は、SiO_2逆オパールである。このフォトニック結晶のストップバンドを光で制御するため、アゾベンゼンを骨格とする高分子液晶を逆オパールの空隙に導入した。導入した高分子液晶のガラス転移温度、スメクチック相、ネマチック相への転移温度はそれぞれ、51、86、124度であった。作成したSiO_2逆オパール・高分子液晶複合材料に直線偏光と円偏光を照射するとストップバンドが可逆に変化した。この変化は、アゾベンゼン分子の光による配列の変化に起因するものと考えられる。すなわち、光照射によりアゾベンゼンのトランス-シス光異性化が誘起されるが、直線偏光の場合、偏光方向に垂直にアゾベンゼンが整列する。一方、円偏光を照射した場合、アゾベンゼンの配列がランダムになった。この結果、直線偏光と円偏光を交互に照射することによって屈折率が変化しストップバンドが可逆に変化したものと考えられる。 また、スイッチング速度を見積もるために、光照射によるストップバンドの波長シフトの光照射時間依存性を測定した。その結果、1000mW/cm2の光強度では約10分で変化することがわかった。
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Research Products
(3 results)