2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14076104
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宗片 比呂夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60270922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 淳 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80298140)
斎木 敏治 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70261196)
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Keywords | 磁性半導体 / スピンダイナミクス / キャリア誘起磁化 / 近接場磁気光学顕微鏡 / スピン緩和機構 |
Research Abstract |
1.強磁性スピン系の光操作と光磁化およびその応用(宗片) (1)(Ga,Mn)Asへの窒素添加効果を実験的に調べ、窒素添加によってホール濃度とキュリー温度が低下すると結論した。(2)光誘起才差運動の起源を実験的に検討し、光照射により磁気異方性が変化した結果発生する、持続時間の長い(1-10ns)有効磁場によるものであることを結論した。(3)開発を進めてきたレーザ走査型磁気光学顕微鏡がとうとう立ち上がり、(Ga,Mn)As中で光誘起磁化の直接観測に世界に先駆けて成功した。さらに、(4)作製法に工夫をこらしたIII-V族p-nヘテロダイオードにおいて、再現性の良い円偏光依存光起電力を得ることに成功するとともに、ヘテロ接合に対するスピン拡散過程の理論的解析を世界に先駆けて開始した。 2.スピン生成と緩和の光制御と応用(竹内) ワイドギャップ半導体の代表格であるGaN中のキャリア電子のスピン緩和には、六方晶GaN中の1psの超高速過程と立方晶GaN中の10nsの遅い過程の2通りが存在することを実験的に明らかにした。後者については、スピン軌道相互作用の減少によるものであると説明されるが、前者についてはこの物質固有の新しいスピン緩和現象であり、その解明は今後の課題であると結論した。 3.近接場光学技術によるナノ光スピントロニクス(斎木) 近接場光学顕微鏡(NSOM)の磁気光学効果の高感度化につながる手法として、ホモダイン検出とロックイン検出とを組み合わせる測定技術を引き続き研究し、原子ステップを持つサファイア基板上のNiO薄膜中に形成された段差2nmのナノチャンネルにおいて、上部と下部で1:4という極めて大きなコントラストを有する表面像を得ることができた。本手法の有用性を示した。また、低温・磁場下で動作するNSOMにおいて、ドリフトや振動などの細かい問題点をほぼ解決し、30nmの分解能による単一量子ドットの発光イメージングに成功した。磁気発光分光も可能となり、量子ドット発光のゼーマン分裂や反磁性シフトなどが観測できるようになった。
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Research Products
(7 results)