2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14076201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武藤 俊一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00114900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白峰 賢一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10241358)
戸田 泰則 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00313106)
足立 智 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10221722)
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Keywords | 量子ドット / 電子スピン / 量子演算 / 量子コンピューティング / 光支援トンネル / ラビ振動 / クーロンブロッケイド / スピン緩和 |
Research Abstract |
量子ドットの電子スピンは将来の大規模量子コンピューティング実現へ向けての有力候補の一つである。特に光半導体を用いた量子ドットでは、光による電子スピンの制御が容易で量子情報光通信との整合性が良いという大きな長所を持つ。報告者らは量子ドットの電子スピンの光支援トンネル(ラビ振動)とそのクーロンブロッケイドを用いた量子演算を独自に提案している。本研究では、InAs/GaAs量子ドットの電子スピンを用いた量子演算について、その量子コンピューティングヘの可能性を調べる。今年度は基本構成となる3重結合量子ドットについてハミルトニアンを導出しリュウヴィル方程式を数値的に解いて量子演算をシミュレートした。また電子スピンのデコヒーレンスに関する理解を深めるために量子ドットより理解の進んでいる量子井戸について4光波混合によるスピン緩和時間の測定を行った。 1.量子演算のシミュレーション 提案している量子ドットの電子スピンを用いた量子演算ゲートについて、ハバードタイプのモデルハミルトニアンを用いた制御NOT演算の計算機シミュレーションを行い、提案通りに動作することを確認した。電子スピンの任意回転は通常の電子スピン共鳴の手法により実現できるため2電子スピンの制御NOTと合わせて、量子演算の、いわゆる普遍ゲートが実現できることが確認できた。 2.量子井戸における電子のスピン緩和時間の測定 電子スピンのデコヒーレンスを実験的に調べる手段として3パルスのスピン回折4光波混合を量子井戸の電子スピンに適用した。スピン緩和計測に通常の用いられるポンプ・プローブ法との比較、およびスピン緩和時間の励起強度依存性を調べた結果、この手法をスピン緩和の計測に用いることができるという見通しを得た。
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Research Products
(1 results)