2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14076201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武藤 俊一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00114900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 智 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10221722)
戸田 泰則 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00313106)
白峰 賢一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10241358)
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Keywords | 電子スピン / 量子ドット / 量子演算 / スピン緩和 / 核磁場 |
Research Abstract |
量子ドットでの共鳴励起での電子スピン緩和時間の測定法として、スピン回折4光波混合の研究を進め、スピン緩和時間の導出を行った。非共鳴励起条件でのスピン緩和時間の導出に通常行われる時間分解発光による結果と比較したところ、5倍程度長い緩和時間が得られることがわかった。量子ドットでの電子スピンを用いた量子演算のために極めて有益なデータである。 InAlAs量子ドットで超微細相互作用により形成される核磁場を観察し、励起光の円偏光度を用いてこの核磁場が制御できることを確認した。これによるゼーマン分離のエネルギーシフト、いわゆるオーバーハウザーシフトは、バリアを励起した場合には19マイクロeV程度と小さいが、ヌレ層を励起して共鳴励起に近づけることにより87マイクロeVまで増加できる。これは、これまで報告された量子ドットのオーバーハウザーシフトとしては最大級のものである。 核磁場の1つの応用としての光Qubitから電子スピンQubitへの変換の提案をした。これは量子ドットの電子スピンの光学的初期化の手法を与えるだけでなく、電子スピン系の光ネットワークへの接続可能性を示唆する。また、光Qubitへの電子スピン、核スピンメモリの付加をも示唆するものである。オーバーハウザーシフトの実験結果に基づいて、この提案の実現可能性の検討を行った。
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Research Products
(14 results)