2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14076206
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
斎木 敏治 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70261196)
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Keywords | 近接場光学顕微鏡 / 量子構造 / 磁気光学効果 / スピンダイナミクス / カー回転 / 磁場 |
Research Abstract |
1.反射型NSOMにおける磁気光学信号検出の高感度化 スピンダイナミクスの観測に必要なポンプ・プローブ磁気光学分光法の開発を目的として、偏光感度の改善をおこなった。特に、開口を通して試料から反射してきた光を信号光、テーパー部で反射して戻っていく光を参照光として、両者をファイバ内で干渉させることにより信号の増強をおこなった。プローブ先端を機械的に振動させることにより、信号光のみを選択的に大きく変調し、参照光との干渉成分をこの変調周波数で同期検波することによってS/Nを大きく改善することに成功した。 本測定法の有用性を確認するため、磁気光学メディアの記録マーク観察をおこなった。プローブ先端を水平方向に振動させ、記録マークの磁区の境界でコントラストを得ることを試みた。境界での強い信号と、異なる境界でのコントラストの反転など、良好な結果を得ることができた。 2.磁場環境下にて動作する低温近接場光学顕微鏡の開発 ナノ領域におけるスピン状態の生成、検出に加えて、その操作、制御を目的として、磁場環境にて動作する低温NSOMの開発をおこない、光学測定までを含めた基本動作のチェックをほぼ終了した。偏光の安定性確保とファイバ自身からのノイズの低減を目的として、ファイバプローブの長さを非常に短くし、カー回転による磁気光学分光が可能とした。磁場下における分光測定をデモするために、GaNAs量子井戸のフォトルミネッセンススペクトル測定をおこなった。局在準位からの鋭いラインが確認され、強磁場下での測定に問題がないことを確認した。
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Research Products
(3 results)