2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14076210
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宗片 比呂夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60270922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
腰原 伸也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10192056)
近藤 剛 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70323805)
松田 康弘 岡山大学, 理学部, 助教授 (10292757)
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Keywords | 磁性半導体 / 磁性体・半導体ナノ複合構造 / キャリア誘起磁性 / スピン注入磁化反転 / スピンダイナミクス / スピン光起電力 / 光磁化 |
Research Abstract |
(1)電気的スピン注入磁化反転セルの作製と評価 AlAsバリヤ層を強磁性(Ga, Mn)As層ではさんだトンネル磁気抵抗素子を作製し、トンネル電流によるスピン注入磁化反転の実験を行った。素子にスピン分極トンネル電流10^5A/cm^2相当の電流を1秒間流した結果、磁化の部分的反転に相当する試料抵抗の低下を達成した。 (2)強磁性半導体(Ga, Mn)Asの磁気異方性 電子線リソグラフィーで細線形状に加工した強磁性(Ga, Mn)As薄膜の磁気抵抗を研究し、この素材の2種類の磁気異方性を実験的に明確化するとともに、それら異方性の相対的な大きさがキャリア濃度で変化することを示した。 (3)光学的電荷注入による磁化の才差運動 横磁場を印加した強磁性(Ga, Mn)Asを光パルスで励起すると、強磁性に結合したMnスピンが才差運動を行なうことを世界に先がけて見出した。この現象を系統的に調べた結果、過剰キャリアの光生成と消滅の過程において磁気異方性が過渡的に変化し、それに伴って変化する有効磁場に応答する形でMnスピンが才差運動を起こすことを明らかにした。強磁性に結合した局在スピンが光制御可能であり、磁化のダイナミクスを利用した論理計算を可能にするものと期待される。 (4)スピン光起電力の実験 理論的に指摘されていたスピン光起電力の発生を、p-(In, Ga)As/n-(Al, Ga)Asヘテロ接合において世界に先駆けて観測した。この接合は、n側のg因子がゼロ、p側のg因子が非ゼロであるため、外部磁場をヘテロ構造に印加すると、p-n接合部分の拡散電位がスピン依存となる。実験は試料に円偏光を照射して行なわれ、偏光の向きに応じて光起電力と光電流が変化する様子を捉えている。本結果はまた、円偏光を直接電気信号に変換するスピンフォトダイオードの試作に道を開く。
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Research Products
(9 results)