2003 Fiscal Year Annual Research Report
半導体/強磁性体複合構造におけるスピン注入とそのデバイス応用に関する研究
Project/Area Number |
14076213
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
山田 省二 北陸先端科学技術大学院大学, ナノマテリアルテクノロジーセンター, 教授 (00262593)
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Keywords | 新狭ギャップヘテロ接合 / スピン注入電極 / スピントランジスタ / 分子線エピタキシ / 電子ビーム蒸着 / スピン軌道相互作用 / 量子計算素子 |
Research Abstract |
本研究全体の目的は a)新狭ギャップヘテロ接合の開発、b)高効率スピン注入電極の実現、c)スピントランジスタの最適設計と素子作製、の3つである。 14年度から継続していた内容としては、分子線エピタキシ装置の改造(Sbクラッカーセルの導入、電子ビーム蒸着装置との真空結合など)は15年度中に無事修了し、16年度当初から特にb)に関連した強磁性金属の真空一貫堆積とデバイス作製を進める予定である。また平成15年度は特にb)c)に関連して以下に示すような進展があった。 1)従来の手法であるヘテロ接合メサに側面から強磁性金属膜を堆積した構造をもつスピン注入素子を試作し、その注入効率向上に努めた。その結果、比較的幅の狭いチャネルを持つ素子において相対比で1%を超える注入効率を確認した。また、素子構造の工夫により局所ホール効果の抑圧にほぼ成功すると同時に、チャネル長が平均自由行程の数倍程度の長さでもスピンバルブ信号が観測されうることも明らかとなった。 2)スピントランジスタ実現に向け重要と考えられる1次元伝導構造についての検討の第1段階として、素子を細線化していったときスピン軌道相互作用がどのようになるか、について検討を進めた。まずエッチングでチャネル幅を0.4-4mの範囲で変えた一連の細線でスピン軌道結合定数を調べたが、チャネル幅を狭くしていっても殆ど変化が無いことがわかった。ところが、細線の側面付近にゲート電極をもつ細線で、その電極に負電圧を印化した細線幅を狭くしたチャネルにおいては、スピン軌道相互作用が著しく増大することが再現性良く確認された。このメカニズムを詳細に検討すると同時に、量子計算素子への展開を提案、推進する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Yamada: "Spin transport and injection in high-In-content InGaAs/InAlAs heterostructures"Sci. and Tech.Advnaced Materials. Vol.4,No.1. 77-80 (2003)
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[Publications] K.Fujii, Y.Morikami, T.Ohyama, S.Gozu, S.Yamada: "Observation o a large spin-orbit interaction in photoexcited InGaAs/InAlAs heterostructures"J.Superconductivity. 16. 469-472 (2003)
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[Publications] T.Kita, T.Kakegawa, M.Akabori, S.Yamada: "Spin-polarized transport in Rashba quantum point contacts"Physica E. (in press). (2004)
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[Publications] T.Sato, M.Akabori, S.Yamada: "High quality highl mismatched InSb films grown on GaAs substrate via thick AlSb and InAlSb step-graded buffers"Physica E. (in press). (2004)