2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14076217
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹内 淳 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80298140)
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Keywords | スピン / InGaAs / 量子井戸 / GaN / Elliot-Yafet / Dyakonov-Perel / スピン緩和 |
Research Abstract |
本研究では、InGaAs量子井戸などの非磁性の化合物半導体のキャリアスピンのダイナミクスとその制御性を調べている。今年度は、波長1.55ミクロンに対応するInGaAs量子井戸のスピン緩和時間の温度依存性を測定し、低温域でのスピン緩和機構を明らかにするとともにワイドギャップ半導体であるGaNのスピン緩和時間の測定に成功した。 InGaAs/InP量子井戸の温度依存性は、既に報告されているGaAs/AlGaAs量子井戸の温度依存性と類似しており、30K以下では温度依存性がなく、30K以上では強い温度依存性を持つことがわかった。スピン緩和機構としてはD'yakonov-Perel'効果、Elliott-Yafbt効果、Bir-Aronov-Pikus効果などが考えられるが、前者の二つは温度依存性を持ち、後者は温度依存性を持たない。これから30K以下ではBAP効果、30K以上ではDP効果とEY効果が関与していることが明らかになった。 GaNのスピン緩和時間の測定系の時間分解能は0.15psである。スピン偏極率の緩和時間は単一指数関数近似で0.47psという極めて高速であることがわかった。これは、GaNで初めての十分な時間分解能でのスピン緩和の観測である。GaNのスピン緩和時間は、温度を上げると短くなり、225Kまでスピン偏極が観測された。
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Research Products
(3 results)