2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14077209
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 一隆 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (20302979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弘中 陽一郎 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (20293061)
中野 秀俊 日本電信電話株式会社, NTT物性科学基礎研究所, 主幹研究官
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Keywords | フェムト秒レーザー / パルスX線 / 時間分解X線回折 / 量子放出 / イオン加速 / 強光子場 / 高速電子 / 電子線シャドーグラフ |
Research Abstract |
量子放出に関しては、金属・水和高分子(ポリビニルメチルエーテル)薄膜を用いた、高エネルギーイオン発生の研究を行い、10^18W/cm^2の強度でフェムト秒レーザー光を集光照射することで最大1.4MeVまで加速された高エネルギープロトンの発生を確認し、金属単体に比べて10倍以上発生を得ることが出来た。また、量子放出によって発生する高エネルギー電子を用いたピコ秒時間分解電子線シャドーグラフ法を開発し、パルスレーザー照射による銅薄膜のアブレーション過程の測定を行い、電離分離場の時間発展のようすを直接実験的に測定することに成功した。また発生する高エネルギー電子の測定において、イメージングプレートの感度のエネルギー補正を行うことで、制度の高いエネルギー分布測定を行うことができるようになった。 300ピコ秒のレーザー光をゲルマニウム単結晶に1.2GW/cm^2の強度で集光照射することによって結晶内部に発生する過渡格子歪みのようすを、レーザープラズマX線を用いたピコ秒時間分解X線回折により直接測定した。ゲルマニウムの場合には、吸収係数が大きいために極表面でのアブレーションが起こり、それに伴う結晶内部への衝撃圧縮が観測された。最大圧縮歪みはレーザー照射後200ピコ秒で約4%であった。この歪みは通常の衝撃銃を用いた測定から報告されている弾塑性転移歪み2.7%を大きく超えている。本実験で発生した圧力は7.5GPaであり、衝撃圧縮保持時間は27ピコ秒であった。この結果から、7.5GPaにおいてゲルマニウムの弾塑性転移には27ピコ秒以上の転移時間が必要であることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)