2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14077210
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 正和 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (10283459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 進 岡崎国立共同研究機構, 情報科学研究センター, 教授 (70194339)
斉藤 真司 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70262847)
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Keywords | 水 / 水素結合 / ネットワーク / 均一核生成 / 結晶成長 / アモルファス / 第二臨界点 / 氷 |
Research Abstract |
本研究では、均一核生成〜結晶化の微視的過程を包括的に解明することを目標としている。前年度までの研究で、分子数512分子以下、温度230K前後、伸張された環境下で水の均一核生成を再現することができた。本年度はより精度の高い計算を目指しつつ、結晶化過程を解析する新しい手法の開発を行ってきた。 水分子の運動の中から、速い「振動的」な成分をとりのぞき、本質的な構造変化を抽出する新しい手法として、水素結合の結合相手を列挙したうえで、このラベル列に対し、ある時間幅で多数決フィルタを施す、つまり、時区間内で最も長時間結合している相手を、時区間中央での結合相手とみなす、という手法を提案した。 また、核生成初期に形成されていると考えられる準安定な様々な局所構造を見つけだし、分類する方法として、inexact graph matching法と非計量多次元尺度法を組み合わせた解析手法を提案した。 今年度は、これまでの条件と異なる条件化での結晶化を再現することはできなかったが、より分子数の多い系で均一核生成に向かう軌道を複数えることができたので、今後、上記の解析手法を援用して詳しい解析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Matsumoto, S.Saito, I.Ohmine: "Molecular dynamics simulation of the ice nucleation and growth process leading to water freezing"Nature. 416,6789. 409-413 (2002)
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[Publications] I.Ohmine, M.Matsumoto, S.Saito, A.Baba, Y.Yonekura, S.Ogasawara, H.Inagaki, C.Kobayashi: "Landscape of Water Dynamics and Chemical Reactions"NATO Science Series "New Kinds of Phase Transitions : Transformations in Disordered Substances. 81. 613-622 (2002)