2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14078201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮浦 憲夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10002049)
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Keywords | 水溶性ホスフィン配位子 / 水反応場 / クロスカップリング反応 / ポリマー担持型触媒 / 有機ボロン酸 / 不斉マイケル付加反応 / ロジウム触媒 / パラジウム触媒 |
Research Abstract |
本研究では有機ボロン酸が水、酸素に安定であることを利用して、水を中心とした反応場における触媒的炭素結合形成反応の開発を計画した。 水溶性ホスフィン配位子の開発 水反応場における遷移金属触媒反応の開発には、優れた水溶性ホスフィン配位子の開発が必須となる。現在スルホン化トリフェニルホスフィン(TPPTS)が一般に用いられているが、必ずしも良い結果を与えない。水溶液系における遷移金属触媒反応の開発には、優れた水溶性ホスフィン配位子の開発が必須となる。新規水溶性配位子、GLCAphos、Ph基を^tBu基、Cy基に変えた、^tBu-GLCA,Cy-GLCAを合成した。 水反応場における有機ボロン酸の付加・カップリング反応 いずれの反応も有機溶媒/水混合溶媒中で効率よく進行する。従って、水溶性パラジウムあるいはロジウム触媒の使用により、さらに効率的な分子変換が可能になる。有機ボロン酸によるハロゲン化アリールとの完全水系クロスカップリング反応をGLCAphos,Cy-GLCA,^tBu-GLCAを用いて調査した。反応はCy-GLCA/Pd系で最も効率よく進行した。 ポリマー担持型触媒によるカップリング 水溶性ホスフィン配位子と同時にポリマー担持型触媒は触媒や配位子の分離、触媒のリサイクルが容易であり工業的に利用しやすい。ポリマー担持型パラジウム触媒により有機ボロン酸のビアリールクロスカップリング反応が効率よく進行することを明らかにした。 不斉マイケル付加反応の開発 また、完全水系マイケル反応において触媒を効率よく機能させるためにシクロデキストリンに包摂したRh触媒を開発した。反応は速やかに進行し、[Rh(OH)(cod)]_2を用いた場合には室温で反応が進行した。 キラルロジウム錯体による不斉共役付加反応について調査した。現在すでに、ロジウムに対するキラル配位子が多数開発されている。これらを用いて不斉マイケル付加の一般性について調査した。有機溶媒系における実験ではBINAPにより高い不斉収率(97%ee)が得られている。水溶液系ではRh(acac)(coe)/dppm系で効率よく反応が進行することが分かった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nishimura Masato, Ueda Masato, Miyaura Norio: "Palladium-catalyzed biaryl-coupling reaction of arylboronic acids in water using hydrophilic phosphine ligands"T trahedron. 5779-5787 (2002)
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[Publications] M.Ueda, M.Nishimura, N.Miyaura: "A Palladium-Catalyzed Biaryl Coupling of Arylboronic Acids in Aqueous Media Using A Gluconamide-Substituted Triphenylphosphine (GLCAphos) Ligand"Synlett. 6. 856-858 (2002)
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[Publications] Miyaura, Norio: "Cross-coupling reaction of organoboron compounds via base-assisted transmetalation to palladium(II) complexes"Journal of Organometallic Chemistry. 653. 54-57 (2002)
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[Publications] Takezawa, A., Yamaguchi, K., Ohmura, T., Yamamoto, Y., Miyaura.N.: "Inter-and intramolecular additions of 1-alkenylboronic acids or esters to aldehydes and ketones catalyzed by rhodium(I) complexes in basic, aqueous solutions"Synlett. 1733-1735 (2002)
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[Publications] Yamamoto Yasunori, Fujita Masayoshi, Miyaura Norio: "Synthesis of functionalized allylsilicone compounds via rhodium-catalyzed conjugate addition of (E)-or (Z)-[3-trimethylsilyl-1-propenyl]boronic acids to enones"Synlett. 767-768 (2002)