2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14078204
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関口 章 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90143164)
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Keywords | 高周期14族元素 / 高周期14族元素多重結合 / 高周期14族元素ラジカル種 / 高周期14族元素カチオン種 / 高周期14族元素アニオン種 |
Research Abstract |
ケイ素=ケイ素二重結合化合物であるジシレンは、対応する炭素=炭素二重結合化合物に比べて準位の高い最高占有π軌道、低い最低非占有π^*軌道を持つため、容易に酸化・還元を受けることが知られている。本研究では、立体的に極めて嵩高く、電気陽性なジ-tert-ブチルメチルシリル基で完全に置換されたジシレンを新規に合成し、その構造及び化学的酸化・還元によるイオンラジカルの合成を検討した。 ジ-tert-ブチルメチルシリル基で完全に置換されたジシレンは置換基のかさ高さに起因してケイ素=ケイ素二重結合が約50度も捻れており、これまでに知られているジシレンの中でも特に低い酸化電位、還元電位を示した。 トリチルカチオンを用いた化学的1電子酸化により対応するジシレンカチオンラジカルを、tert-ブチルリチウムを用いた1電子還元により対応するジシレンアニオンラジカルを安定に合成、単離することに成功し、それらの分子構造をX線結晶構造解析で決定した。 ジシレンカチオンラジカルの骨格ケイ素原子は共に平面3配位を保持しており、アニオン電荷、スピンが二つの骨格ケイ素原子上に非局在化した電子構造を持つことを実験的に明らかにした。 ジシレンアニオンラジカルでは一方の骨格ケイ素原子は平面3配位であるが、他方の骨格ケイ素原子はピラミッド化(非平面化)しており、それら骨格ケイ素上のp性軌道が直交した分子構造を持つことが示された。参照化合物との構造パラメータの比較、常磁性共鳴スペクトルの詳細な解析、理論計算から、平面3配位ケイ素にはスピンが、ピラミッド化した3配位ケイ素にはアニオン電荷が局在化した電子構造を持つことを明らかにした。
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Research Products
(6 results)