2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14078206
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
溝部 裕司 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40175609)
|
Keywords | 金属クラスター / 金属カルコゲニド / キュバン型クラスター / 超分子 / アセチレン錯体 / イソニトリル錯体 / スルフィドクラスター / ヒドロスルフィド錯体 |
Research Abstract |
(1)昨年度の研究で得られた、末端および架橋スルフィド配位子を有するレニウム二核錯体[PPh_4]_2[ReS(L)(μ-S)_2ReS(L)] (L=S_2C_2(SiMe_3)_2)から得られる不完全キュバン型クラスター[(Cp^*Ir)(ReL)_2(μ_3-S)(μ_2-S)_3] (Cp^*=η^5-C_5Me_5)と、それから誘導されるキュバン型クラスターについて、イソニトリル、アセチレン、ホスフィンとの反応を検討し、これら基質がクラスター骨格の変換をともないながら取りこまれることを明らかにした。また過剰のPd(0)錯体との反応では、IrPd_4Re_2の新規な七核クラスターが生成することも見出した。 (2)当研究室で先に合成に成功した、Ru,RhおよびIrの新規なヒドロスルフィドまたはヒドロセレニド架橋二核錯体[(Cp^*MCl)_2(μ-EH)_2] (M=Ru,Ir,Rh; E=S,Se), [{Ru(L)Cl}_2(μ-EH)_2] (L=π-arene)と2当量のSbCl_3,BiCl_3との反応を行うことで15族重元素が取り込まれた一連の遷移金属-典型金属混合型のカルコゲニドクラスター[(Cp^*MCl)_2(μ-EM'Cl_2)_2], [(Cp°RuCl)_2(μ-SM'Cl_2)_2] (Cp°=η^5-C_5EtMe_4), [{Ru(L)Cl}_2(μ-SM'Cl_2)_2] (L=η^6-C_6Me_5H)が得られることを見出した。また[(Cp°RuCl)_2(μ-SH)_2]については当量のM'Cl_3を用いると一方の架橋ヒドロスルフィドのみが反応した[(Cp°RuCl)_2(μ-SM'Cl_2)(μ-SH)]を得ることができ、残ったヒドロスルフィド基をさらにPd(0)錯体と反応させることで三種類の金属からなるスルフィドクラスターを誘導できることも判明した。 (3)当研究室でこれまでに得られている各種三核および四核クラスターのさらなる反応性を検討した結果、Pd上にニコチンアミドまたはイソニコチンアミドを配位させた三核クラスター[(PdL_2)(Cp^*Ir)_2(μ_3-S)_2][BF_4]_2において、前者では分子間で配位ニコチンアミドどうしの水素結合が形成されて一次元鎖が、また後者では分子間で配位イソニコチンアミドがBF_4アニオンとの水素結合を介して連結されて二次元のシートが生成していることが、単結晶X線解析により判明した。
|
Research Products
(7 results)