2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14078217
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
光藤 武明 京都大学, 工学研究科, 教授 (90026344)
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Keywords | ルテニウム錯体 / 水 / アクア錯体 / キラル / オキサメタラサイクル / オキソ錯体 / DFT計算 / 動的挙動 |
Research Abstract |
1.水配位0価ルテニウム錯体の合成:不斉環境にある水分子 当研究室で初めて合成した0価ルテニウムアクア錯体、Ru(dimethyl fumarate)_2[1,2-bis(diphenylphosphino)-ethane](H_2O)(1)の構造、および動的挙動について詳細な検討を行った。その結果、単結晶X線構造解析により、錯体(1)中の水の酸素原子は、ルテニウムへの配位とdimethyl fumarate配位子のエステルカルボニル基との水素結合により、キラル中心となっていることが明らかとなった。また、ラセミの錯体1は自然分晶により、またはキラルカラムを備えたHPLCでの分離により光学分割可能であった。さらに、温度可変^1H NMR測定とDFT計算により、配位した水分子の回転と反転による水素原子間の位置交換過程を初めて明らかにした。 2.オキサメタラサイクル部位を有する二核2価ルテニウムアクア錯体の合成と構造 0価ルテニウム錯体Ru(η^6-1,3,5-cyclooctatriene)(η^2-dimethyl fumarate)_2(2)と水との反応を、(S,S)-DIPAMP配位子共存下、ClCH_2CH_2Cl溶媒中、60℃で6時間行うことにより、オキサメタラサイクル部位を有する新規二核2価ルテニウムアクア錯体(3)が単離収率26%で得られた。 3.新規オキソ架橋ルテニウム4核錯体の合成 一方、リン配位子を添加せずに、錯体(2)と水とを1,4-ジオキサン中、6時間加熱還流を行った場合には、水分子の活性化が進行した後、ルテニウムの酸素親和性による自己集積化により、新規オキソ架橋ルテニウム4核錯体(4)が単離収率73%で得られ、その単結晶X線構造解析に成功した。錯体3、4とも、その生成過程において、ルテニウムに配位した水分子の活性化(H-[Ru]-OHの生成)が起こっていると考えられる。
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Research Products
(4 results)