2003 Fiscal Year Annual Research Report
精密X線ドップラー分光で探るブラックホールのダイナミクス
Project/Area Number |
14079103
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大橋 隆哉 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (70183027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満田 和久 東京都立大学, 宇宙科学研究所・宇宙圏研究系, 教授 (80183961)
石崎 欣尚 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (10285091)
石田 学 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (20249931)
藤本 龍一 東京都立大学, 宇宙科学研究所・宇宙圏研究系, 助手 (20280555)
山崎 典子 東京都立大学, 宇宙科学研究所・宇宙圏研究系, 助教授 (20254146)
廣瀬 和之 東京都立大学, 宇宙科学研究所・衛星応用工学研究系, 助教授 (00280553)
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Keywords | ブラックホール / X線天文学 / マイクロカロリメータ / 低温検出器 / エネルギー分解能 / 科学衛星 / 超伝導遷移端出器 / 宇宙観測 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ブラックホール(BH)へ落ち込むガスの流れと、BHの強い重力が引き起こす一般相対論的効果を、X線輝線スペクトルの精密分光観測により明らかにし、また、宇宙初期に誕生したブラックホール天体が、銀河間物質にどれほど大きな影響を及ぼしたのかを知るために、X線観測と検出器開発の両面からBHの攻略を進めることにある。2005年に打ち上げられるAstro-E2のXRS検出器(マイクロカロリメータ:エネルギー分解能約6eV)については、全32ピクセルからなる検出器のフライトモデルが完成し、本グループも参加し、米国で地上キャリブレーションが行われ、所期の性能が確認された。また軌道上でのキャリブレーションを可能にするために、フィルターホイールに弱い放射線源をつけるという改良が完了、単体試験も終了した。1年後の打ち上げを目指した総合試験が始まる。一方、2010年ごろの打ち上げを目指すNeXT衛星のためにTESカロリメータの開発を進めている。早稲田大学、セイコーインスツルメンツ等との共同で、TESカロリメータをマルチピクセル型にする開発を進め、ビスマス吸収体をめっきで製作する新方式について、エネルギー分解能約30eVを得るなど、一定の見通しが得られた。また必須となる冷凍機の基本的な検討も進めており、冷媒を全く使用せずに冷却能力を確保する見通しが得られた。これと並行して、放射線の入射に伴う磁化の変化を読み出し、高いエネルギー分解能を得る新しい検出器マグネティックカロリメータの開発も進めており、α線源からわが国で初めて信号出力を得るという成果を得た。これらの結果は、国内の学会や国際学会等で報告されている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshikawa, K. 他6名: "Detectability of the Warm/Hot Intergalactic Medium through Emission Lines of 0 VII and 0 VIII"Publ.Astron.Soc.Japan. 55-5. 879-890 (2003)
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[Publications] Furusho, T., Yamasaki, N.Y., Ohashi, T.: "Chandra Observation of the Core of the Galaxy Cluster AWM 7"Astrophys.Journal. 596-1. 181-189 (2003)
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[Publications] Watanabe, S 他9名: "Detection of a Fully Resolved Compton Shoulder of the Iron Ka Line in the Chandra X-Ray Spectrum of GX 301-2"Astrophys.Journal Letters. 597-1. L37-L40 (2003)
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[Publications] Miiyaji, T. 他5名: "ASCA Observation of Unusually X-Ray-Hard Radio-Quiet QSO Kazl02"Publ.Astron.Soc.Japan. 55-2. L11-L15 (2003)
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[Publications] Shimizu, M. 他3名: "Mass-Temperature Relation of Galaxy Clusters : Implications from the Observed Luminosity-Temperature Relation and X-Ray Temperature Function"Astrophys.Journal. 590-1. 197-206 (2003)
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[Publications] Inoue, H., Yamasaki, N.Y.: "An X-Ray Detection Possibility of Star-Formation-Bursting Proto-Elliptical Galaxies"Publ.Astron.Soc.Japan. 55-3. 631-634 (2003)