2004 Fiscal Year Annual Research Report
精密X線ドップラー分光で探るブラックホールのダイナミクス
Project/Area Number |
14079103
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大橋 隆哉 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (70183027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 学 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (20249931)
石崎 欣尚 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (10285091)
満田 和久 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (80183961)
廣瀬 和之 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (00280553)
山崎 典子 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (20254146)
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Keywords | ブラックホール / X線天文学 / マイクロカロリメータ / 低温検出器 / エネルギー分解能 / 科学衛星 / 超伝導遷移端出器 / 宇宙観測 |
Research Abstract |
本年度は5年計画の3年目にあたり、以下の通り研究を実施した。 1.Astro-E2:衛星打ち上げが2005年2月から6-7月期へ延期となった。XRS(マイクロカロリメータ)検出器の地上試験および衛星全体の総合試験が年間を通して行われ、本研究グループも日本側中核メンバーとして参加し、試験を進めるとともに、XRS検出器のレスポンス作り、観測計画の具体的立案など打ち上げに向けた準備を進めた。また軌道上でキャリブレーションを行うための、アイソトープを搭載した新しいフィルターホイール装置については、2004年夏にアイソトープを取り付けた後最終テストに臨んだ。試験を通してフィルターホイールの動作上の問題は起きていない。XRSの性能は予想を上回る優れたものであり、来年度前半には、Astro-E2による世界初の超高分解能X線エネルギースペクトルが、ブラックホール天体やさまざまな銀河・銀河団について得られ、X線天文学がさらに大きく進展すると期待される。 2.TESカロリメータ開発:多素子化へ向けて、Bi吸収体による256ピクセルのカロリメータ素子がはじめて製作された。一部のピクセルで動作は確認されたが、多くの吸収体が剥離するという問題が生じており、現在Bi吸収体の制作方法の改良を検討している。256という多くの素子のカロリメータが製作されたのは、世界ではじめてであり、多素子のカロリメータの開発へむけた大きな前進である。信号読み出しについては、周波数分割読み出しのために周波数帯域の高いSQUIDの開発を進めており、185kHzまでの動作確認と、500kHzのものの設計が行われ、また8入力SQUIDも製作が完了した。これらと並行して、衛星搭載で必須となる小型の断熱消磁冷凍機の開発もあわせて進めており、システムの性能実証を兼ねて、産総研で地上プラズマのX線分光測定を行い、高分解能のスペクトルを得ることができた。また、本年度の備品購入により、都立大、宇宙研において、素子製作のほぼすべての工程を研究室内で進められる目処をつけることができ、今後効率のよい開発が進められると考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] ASCA Observations of the Two Nearest Globular Clusters, M4 and NGC 63972004
Author(s)
Ishikawa, T., Ishida, M., Ishisaki, Y., Ohashi, T., Yamasaki, N.Y.
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Journal Title
Publ.Astron.Soc.Japan 56-3
Pages: 453-464
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