2006 Fiscal Year Annual Research Report
高感度の硬X線観測で探るブラックホールへの物質流入
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14079201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧島 一夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20126163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国分 紀秀 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (50334248)
玉川 徹 独立行政法人理化学研究所, 中央研究所, 専任研究員 (20333312)
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Keywords | ブラックホール / 大気圏外観測 / 硬X線・ガンマ線 / 放射線検出器 / 科学衛星 / 「すざく」衛星 / 活動銀河核 / ガンマ線バースト |
Research Abstract |
本年度は、2005年7月に打ち上げられた「すざく」衛星を用いた観測的研究を中心に据え、以下のような研究を行った。これにより、本計画研究の目的を十分に達成することができた。 1.昨年度に引き続き、「すざく」搭載硬X線検出器(HXD-II)の軌道上較正を進め、バックグラウンド数値モデルの精度を向上するとともに、時刻づけ精度などを検証した。 2.「すざく」・CCDカメラで、近傍銀河の超大光度X線天体(ULX)のスペクトルを詳しく観測するとともに、HXD-IIでは世界で初めて、M82銀河にあるULXから10keV以上での硬X線信号の検出に成功した。これらの結果から、ULXが中質量ブラックホールである証拠を強めた。 3.「すざく」HXD-IIを用い、ハード状態にある複数の銀河系内ブラックホール連星を比較観測した結果、降着円盤を見る角度の違いにより、コンプトン散乱の光学的厚みが系統的に異なることを発見した。これは30年来の謎だった、高温コンプトン雲の幾何形状に、重要な手掛かりを与える結果である。 4.強く吸収された活動銀河核NGC 4945のHXD-IIスペクトルと時間変動を詳しく解析することで、この巨大ブラックホールに落ち込む物質は、これまで考えられていたような「太いトーラス」ではなく,薄くて歪んだ円盤の形状をもつという新しい可能性を突き止めた。 5.理研の運用するHETE-2衛星や、アメリカのSwift衛星などと共同して、「すざく」HXD装置のシールド部を用いたガンマ線バーストの観測的研究を推進するとともに、光学望遠鏡を用いたバースト残光の探査を進めた。 6.「すざく」の後継のNeXT衛星(2012年頃の打ち上げを想定して提案中)に向け、撮像型ガンマ線装置などの基礎開発を続行した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Suzaku Observation of Two Ultraluminous X-Ray Sources in NGC 13132007
Author(s)
Mizuno, T., (11名), Kokubu, M., Kotoku, J., Makishima, K., (6名), Tamagawa, T., Terashima, Y.
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Journal Title
Publications of the Astronomical Society of Japan 59
Pages: SP257-SP267
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[Journal Article] Detailed Spectral Study of an Ultra-Luminous Compact X-Ray Source, M81 X-9, in the Disk-Dominated State2006
Author(s)
Tsunoda, N., Kubota, A., Namiki, M., Sugiho, M., Kawabata, K., Makishima, K.
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Journal Title
Publications of the Astronomical Society of Japan 58
Pages: 1081-1088