2002 Fiscal Year Annual Research Report
ブラックホール形成シナリオにもとづくガンマ線バーストの起源
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14079202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 勝彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00111914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長滝 重博 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手
山田 章一 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (80251403)
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Keywords | ブラックホール / ガンマ線バースト / 超新星爆発 / 中性子星 / ニュートリノ / スーパーカミオカンデ / 超高エネルギー宇宙線 / AGASA |
Research Abstract |
謎の天体といわれるガンマ線バーストは、近年の観測によりブラックホール形成を伴う超新星爆発に付随して引き起こされる現象と推測されだしている。しかしながら、どのような物理が働いてガンマ線バーストが形成されるのかということに関しては殆んど理解がなされていない。そこで我々は、ブラックホールを形成する超新星と中性子星を形成する超新星からの信号を観測・比較することで、ブラックホール形成とガンマ線バースト形成の物理的関連性についてどこまで情報を引き出せるのかという点に着目し、それぞれ定量的な評価を行なった。我々は特にニュートリノ着目し、スーパーカミオカンデ等により報告されたニュートリノ混合角およびニュートリノ質量差の下でのニュートリノ振動効果を考慮しながら中性子星を形成する超新星からのニュートリノの信号を数値計算の結果に基づき評価した。一方、ブラックホール形成を伴う超新星爆発からのニュートリノ信号は、主にブラックホール周りの降着円盤から放出されると結論され、中性子星からのニュートリノ信号とはスペクトラムやフラックスが明らかに異なると結論された。又、中性子星を形成する超新星については、一つのイベントを観測出来れば、地上実験では決定できていない振動の混合角を超新星の信号を使うことで決定出来る可能性があると結論された。又、全ての超新星からの寄与としての超新星背景放射はハイパーカミオカンデのような次世代ニュートリノ検出器では検出可能であろうと結論された。更に、ガンマ線バーストは、謎とされている超高エネルギー宇宙線のソースとしても期待されている天体である。我々はソースをガンマ線バーストと仮定して、超高エネルギー宇宙線の伝搬をモンテカルロ計算によりシミュレートし、AGASAなどで観測されている超高エネルギー宇宙線のエネルギースペクトラムや到来方向を説明することが出来ると報告した。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] S.Ando: "Determining the Supernova Direction by Its Neutrinos"Prog. Theor. Phys.. 107. 957-966 (2002)
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[Publications] S.Nagataki: "Features of Neutrino Signals from Collapsars"Prog. Theor. Phys.. 108. 789-800 (2002)
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[Publications] K.Takahashi: "Earth effects on supernova neutrinos and their implications for neutrino parameters"Phys. Rev. D. 66. 033006 (2002)
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[Publications] G.Watanabe: "Microscopic study of slablike and rodlike nuclei : Quantum molecular dynamics approach"Phys. Rev. C. 66. 012801(R) (2002)
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[Publications] S.Ando: "Detectability of the supernova relic neutrinos and neutrino oscillation"Astropart. Phys.. 18. 307-318 (2003)
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[Publications] S.Nagataki: "Gamma-Ray Burst Neutrino Background and Star Formation History in the Universe"Astropart. Phys.. 18. 551-564 (2003)
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[Publications] S.Ando: "Three-generation study of neutrino spin-flavor conversion in supernova and implication for neutrino magnetic moment"Phys. Rev. D. 67. 023004 (2003)
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[Publications] H.Yoshiguchi: "Revision of the selection function of the Optical Redshift Survey using the Sloan digital Sky Survey : Early Data Release"Publ. Astron. Soc. Japan. 55. 121-131 (2003)
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[Publications] H.Yoshiguchi: "Small Scale Clustering in Isotropic Arrival Distribution of Ultra-High Energy Cosmic Rays and Implications for Their Source Candidates"Astrophys. J.. 586(印刷中). (2003)