2002 Fiscal Year Annual Research Report
広視野ガンマ線カメラによるブラックホールからの熱的ガンマ線放射の探索
Project/Area Number |
14079203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷森 達 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10179856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪 秀利 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40300868)
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Keywords | 核ガンマ線 / ブラックホール / コンプトン散乱 / ガス検出器 / コンプトンカメラ / TPC / 気球 |
Research Abstract |
Micro Pixel Gas Chamber(MPGC)を用いてコンプトン反跳電子の方向を測定する手法を用いてガンマ線の到来方向を決定できる検出器を製作、最終年度に気球に搭載して、6時間程度の実証観測を行なう。 ●反跳電子測定用MPGCの開発 11cm角MPGCを用い、8cmの深さを持つTPCを製作し、電子飛跡のトラッキング性能を評価した。最高利得15000、さらに利得5000で二ヵ月の連続動作に成功し、一様性も±30%程度を達成した。しかし、Minimum Ionizing Particle(MIP)にたいしては、数倍の利得の改善が必要であり、散乱方向の決定精度は30度程度と悪いが3次元的に再構成出来ることは示せた。次元電場シミュレーションを導入し電場計算を行ない、ピクセル構造を改良、2倍の利得向上と一様性の改善が期待される。また、アンプICの積分時定数をMPGCのイオン収拾時間60nsに合わせたICを製作した。この改良で利得が倍増し、15年度にはMPGCの改良を併せて鮮明な電子飛跡の検出を可能にする。 ●シンチレータ反跳ガンマ線検出器の開発評価用に10cm角NaIを25本のPMTアレイで読みだすアンガカメラを製作。エネルギー分解能、位置分解能の評価試験を行ない、半値幅で各々10%,4mm(500keV)の性能を得た。ピクセルシンチレータに対応するため400個の5mm角フォトダイオード400個を合わせたアレイおよび、5mm角ピクセルCsIの10cm角アレイを製作した。また読みだし回路として32chVAチップを試験し、数千チャンネルのピクセルシンチレータアレイに対応出来る回路の基礎開発を行なった。 ●ガンマ線到来方向決定実験上記、MPGC-TPCとアンガカメラを組合せたガンマカメラを製作、イメージングの試験を行なった。まだMPGCの利得が十分でなく、電子の角度分解能が悪いため、角度分解能約30度であるが、確かに各ガンマ線に対して独立に方向を決定出来た。広い範囲でガンマ線源の移動を直接捉えることが出来た。世界初の完全な核ガンマ線イメージングを実証できた。また、気球実験用の装置の仕様を決めるため、シミュレーションを開発した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Nagayoshi et al.: "Performance of large area Micro Pixel Chamber"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Sect. A. (in press). (2003)
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[Publications] H.Kubo et al.: "Development of a time projection chamber with micro pixel electrodes"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Sect. A. (in press). (2003)
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[Publications] R.Orito et al.: "A novel design of the MeV gamma-ray imaging detector with Micro-TPC"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Sect. A. (in press). (2003)
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[Publications] K.Miuchi et al.: "Performance of the TPC with Micro Pixel Chamber readout : micro-TPC"IEEE transactions on nuclear science. (in press). (2003)