2004 Fiscal Year Annual Research Report
偏光ガンマ線をプローブとしたブラックホールからのエネルギー放出の研究
Project/Area Number |
14079207
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
高橋 忠幸 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・高エネルギー天文学研究系, 教授 (50183851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 正伸 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・高エネルギー天文学研究系, 助手 (90300699)
中澤 知洋 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・高エネルギー天文学研究系, 助手 (50342621)
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Keywords | 宇宙科学 / X線天文学 / 人工衛星 / 放射線 / X線 / 粒子線 / 天文 |
Research Abstract |
われわれは、次世代のガンマ線検出器、特に100keVから数MeVのエネルギー領域において極めて高い感度を持つ検出器の開発を進めている。この検出器は、コンプトン望遠鏡の概念にもとづき、高いエネルギー分解能と位置分解能を併せ持つ半導体イメージング素子を組み合わせて作られる新しい検出器である。 われわれは、高いエネルギー分解能を持つ2.5cm角、400ミクロンピッチのシリコン両面ストリップ検出器を6層重ね、2mm角のピクセルを64個有するようなCdTeピクセル検出器でそれを囲んだシリコン・CdTeコンプトンカメラを試作し、新しく開発した、読み出しのための多チャンネル低雑音VLSIを用いて動作させた。このような半導体コンプトンカメラは世界でもはじめての試みであり、われわれは、80keVという低いエネルギーから、600keVのガンマ線にいたる広いダイナミックレンジで、コンプトンカメラを実現し、そのイメージング能力や高いスペクトル能力を実証した。511keVのエネルギーでは、約4度という高い角度分解能が得られている。 将来のX線観測用の硬X線撮像素子、あるいは、惑星ミッションにおける粒子検出器など、高い位置分解能を持つ半導体検出器の読み出しを目的として、サブミクロンCMOSプロセスを利用したセンサー用アナログVLSIの開発を行っている。本年度はシリコンストリップ検出器などに使用するための32から64チャンネルの低雑音の1次元のASICの開発を進め、1チャンネルあたり250マイクロWと低消費電力ながら、雑音特性を従来のものと同等に維持したASICの開発に成功した。さらに、4096ピクセルに対応した2次元ASICの設計をおこない、製作を行なった。同時に、TOT (Time Over Threshold)と呼ばれる方式で低雑音化をはかったASICを開発した。
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Research Products
(6 results)