2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14080201
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡田 弘 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40000872)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 光弘 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50217684)
小山 眞人 静岡大学, 教育学部, 教授 (70183811)
吉川 肇子 慶應義塾大学, 商学部, 助教授 (70214830)
山田 孝 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20333635)
森 済 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40113641)
|
Keywords | 火山爆発 / 自然災害 / 防災対策 / 危機管理 / マグマシステム / ハザードマップ / 専門化支援 / 火山噴火予知 |
Research Abstract |
(1)前年度導入したマグマプロセス解析装置(LA-ICP-MS)を本格運用し、火山噴出物の詳細な定量的分析により、マグマ供給系の評価を行った。その結果、駒ケ岳では想定されている規模の軽石噴火の確率は低く、有珠山では従来の単一マグマ系の進化という従来の考えに代わり、2回のマグマ系変遷を明らかにできた。十勝岳でも、噴火史は書き換えられ、次期噴火が溶岩流出タイプとなる確率が高いことが推測できた。白頭山及び桜島についてもデータ収集は終了した。 (2)4回の有珠山噴火を対象に、火山災害の多様性と火山危機での詳細な時系列データファイルの構築、特に減災成功を支えた科学者の助言活動の実態などに関する膨大なデータの集積を進めた。この時系列データに加え、映像や音声クリップ、写真画像などのマルチメディアのファイル整備を図った。災害対策が乏しかった地元社会が、どのようなプロセスで減災を勝ち取ったか、世界の噴火研究のインパクトの実態や持続的な減災文化活動の重要性などが明らかになった。 (3)&(4)ハザードマップが整った富士山では、マップの理解と活用に関する住民参加型の実態調査がなされ、また想定噴火危機にたいするシナリオシュミレーションを実施した。学生・専門家・地元行政などが対象の実験では、緊急時の意思決定の実験心理学的分析を行った。また有珠山では、GISを用い住民のヒヤリングや被災住民との座談会、アンケート調査などを行い、危機対応の地域差の実態を解明した。 啓発活動の手法とその評価手法、ゲーミングシュミレーション、土砂災害の理解を進めるためのフィールドゼミと実験演習組み合わせた啓発プログラムの効果評価など、平常時における減災力強化の基礎研究も進めた。 (5)また、行政官や社会系研究者との共同の作業や、共同の国際会議(3件)など、専門を超えた分野との相互交流も図った。
|
Research Products
(23 results)