2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14080201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡田 弘 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (40000872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 光弘 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (50217684)
小山 眞人 静岡大学, 教育学部, 教授 (70183811)
山村 悦夫 北海道大学, 名誉教授 (00001230)
山田 孝 北海道大学, 大学院農学研究院, 助教授 (20333635)
吉川 肇子 慶応義塾大学, 商学部, 助教授 (70214830)
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Keywords | 火山爆発 / 火山噴火予知 / 自然災害 / ハザードマップ / 火山噴火 / 噴火災害 / 危機管理 / 防災システム |
Research Abstract |
マグマプロセス解析装置の本格稼動で微小精密解析が進み、噴火履歴を正確に復元し,マグマ供給系の構造と噴火プロセスの長期的時間変遷の解明が進んだ。 高爆発度の道南3火山、対極的な十勝岳三宅島などを対象とした。北海道駒ヶ岳は大噴火後に中小噴火が約五百年続く傾向があり、マグマ供給系の現状と総合すると、現在は活動末期の可能性がある。樽前山も同様であるが、有珠山の活動期は今後も続く可能性が高い。一方、過去約百年間の広域精密地殻変動データの吟味により、有珠山は静穏期に深部マグマの蓄積が、活動期には収縮が認められ、観測による中期予測に駒ヶ岳に続く成果が得られた。 伊豆大島噴火20周年で「火山危機管理専門家支援サーバ」の野外実働試験が実施された。「火山危機管理担当者訓練のためのシナリオシュミレーション」は、富士山や十勝岳噴火を題材に行政職員、マスメディア、火山専門家などを被験者として実施した.これらの実験により、不確定性の高い現象での科学的判断の多様性と、困難克服の見通しが得られた。 ハザードマップでは、住民や行政官の危険認識の実態調査を行い、統合型GIS利用の効果を確認した。火山防災の専門用語の問題点を評価し見直し提言を行った。また、火山爆発と関連した土砂災害や火山砂防の課題とその啓発活動のあり方を探った。 科学者による噴火予測(直前予測・推移予測および終息の判断)と、それぞれの段階における科学的減災助言の実態を解明し、将来の困難に備える指針と必要なツール開発が提言された。また、住民避難や登山規制の解除における科学者の役割が論じられた。 20世紀に6回発生した噴煙柱が成層圏に達する大規模爆発的噴火の比較研究から、準リアルタイムでどのような物理量が把握でき、減災支援で共有すべき情報はどのようなものかが議論され、過去6回の歴史的成果が次期の大爆発で試されるべきと提言がなされた。
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Research Products
(29 results)