2003 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞の分離と幹細胞可塑性を利用した臓器再構築
Project/Area Number |
14081208
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
梅澤 明弘 国立成育医療センター研究所, 生殖医療研究部, 部長 (70213486)
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Keywords | 骨髄 / 間質細胞 / 間葉系幹細胞 / 再生医学 / 細胞移植 / 寿命延長 |
Research Abstract |
ヒトの正常体細胞を培養すると一定回数分裂した後増殖を停止するため、ヒト体細胞を用いた再生医療の研究において、必要な十分量の細胞数を得るのは困難であり、再現性を確認するのも一般に困難である。ヒト間葉系細胞の不死化機構を解析すると共に、これらをできるだけ正常なまま不死化する技術を開発し再生医療の研究に資することを検討する。今年度はヒト骨髄由来間葉系幹細胞が増殖停止に至る分子機構を解析すると共にそれに拮抗する遺伝子を導入し不死化することに成功した。骨髄由来ヒト間葉系幹細胞はテロメラーゼ活性が存在せず理論的にテロメア短縮による絶対寿命が存在した。また、テロメラーゼ触媒サブユニットTERTを導入しテロメラーゼ活性を誘導しても、延命できないことが示きれた。この時、乳腺上皮細胞と同様にRb経路を活性化するp16Ink4aの発現増加が見られ、p16の発現上昇によるRb経路の活性化が培養皿上での寿命を規定していることが示された。Rb/p16経路に拮抗するHPVのE7の導入や内在性遺伝子であるbmi-1の高発現により細胞は延命し、さらにp53経路に拮抗するHPVのE6の導入により細胞は長期間安定に増殖できるようになった。しかし、これらの遺伝子導入だけではテロメラーゼ活性は誘導されず、やがてクライシスと思われる細胞死を迎えた。延命した細胞に予めTERTを導入しテロメラーゼを活性化した細胞ではクライシスは見られず事実上、不死化した。ヒト骨髄間質細胞の不死化にはテロメラーゼ活性の誘導の他にRb/p16経路の活性化阻止が必要である。将来、臨床応用をめざす上でp16Ink4aの発現増加機構を解明し、遺伝子導入によらないp16Ink4aの発現増加阻止が鍵となることが強く示唆され、遺伝子に傷を付けることなく、寿命を延長させる技術は開発可能であることを示すことができたと考える.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Imabayashi, H: "Redifferentiation of dedifferentiated chondrocytes and chondrogenesis of human bone marrow stromal cells via chondrosphere formation with expression profiling by large-scale cDNA analysis."Experimental Cell Research. 288. 35-50 (2003)
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[Publications] Matsushita, K.: "Islet cell hyperplasia in transgenic mice overexpressing EAT/mcl-1, a bcl-2 related gene."Mol Cell Endocr.. 203. 105-116 (2003)
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[Publications] Sharov, A.A.: "Transcriptome analysis of mouse stem cells and early embryos"PLoS Biology. 1. 410-419 (2003)
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[Publications] Gojo, S: "In vivo Cardiovasculogenesis by Direct Injection of Isolated Adult Mesenchymal Stem Cells."Experimental Cell Research. 288. 51-59 (2003)
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[Publications] Elizabeth H.Allan: "Differentiation potential of a Mouse bone marrow stromal cell line."Journal of cellular biochemistry. 90. 158-169 (2003)