2005 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞の分離と幹細胞可塑性を利用した臓器再構築
Project/Area Number |
14081208
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
梅澤 明弘 国立成育医療センター(研究所), 生殖医療研究部, 部長 (70213486)
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Keywords | 骨髄 / 間質細胞 / 間葉系幹細胞 / 再生医学 / 細胞移植 / 寿命延長 |
Research Abstract |
ヒト間葉系幹細胞は一定回数分裂した後増殖を停止する。ヒト間葉系細胞を未分化幹細胞性を維持した状態で細胞寿命を延長する技術を開発することは極めて重要な意義を有する。ヒト間葉系幹細胞はテロメア短縮による絶対寿命が存在し、細胞老化の過程でRb経路を活性化するp16Ink4aの発現増加が見られ、p16の発現上昇によるRb経路の活性化が細胞寿命を規定していた。内在性遺伝子であるbmi-1の高発現により細胞は延命し、さらにp53経路に拮抗するHPVE6の導入により細胞は長期間安定に増殖できるようになり、ヒト骨髄間質細胞の寿命延長にはテロメラーゼ活性の誘導の他にRb/p16経路の活性化阻止が必要であることを明確にした。将来、臨床応用をめざす上でp16Ink4aの発現増加機構を解明し、遺伝子導入によらないp16Ink4aの発現増加阻止が鍵となることが強く示唆された。遺伝子に傷を付けることなく、さらに未分化幹細胞性を保持したまま、寿命を延長させる技術は開発可能である。 また、子宮内膜から生検したヒト細胞が骨格筋に分化可能であるという作業仮説のもと、筋ディストロフィーのマウスモデル(mdx-SCIDマウス)に対しそれらの細胞が筋変性を修復するかどうかを検討した。mdx-SCIDマウス大腿筋内に移植した子宮内膜細胞は骨格筋への分化を示すものの、その頻度は低かった。その一方、細胞移植部位のmdxマウス筋にはヒト・ジストロフィン蛋白質の発現を高頻度で認めた。
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Research Products
(6 results)