2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14081209
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
丹羽 仁史 独立行政法人理化学研究所, 多能性幹細胞研究チーム, チームリーダー (80253730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 伸弥 京都大学, 再生医科学研究所再生統御学研究部門, 教授 (10295694)
升井 伸治 独立行政法人理化学研究所, 多能性幹細胞研究チーム, 研究員 (20342850)
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Keywords | Oct3 / 4 / Cdx2 / 多能性 / 栄養外胚葉 |
Research Abstract |
我々はこれまで、初期化機構の解析基盤として、多能性を規定する分子機構の解析を進めてきた。本年度は、多能性維持に必要な転写因子Oct3/4が、栄養外胚葉分化運命を規定する転写因子Cdx2と直接相互作用して、初期胚における分化運命決定に寄与していることを見いだした(Niwa et al., Cell,2005)。これらの転写因子は、それぞれ自己活性化機構を有するが、両者の複合体はそれぞれの遺伝子及びその標的遺伝子に対して転写抑制因子として機能する。このような、feedforward loopとreciprocal inhibitionの組み合わせは、最終的にどちらか一方の遺伝子の発現のみを許容するシステムであり、細胞分化運命決定には理想的なシステムといえる。胚発生過程では、16細胞期の外側の細胞ではOct3/4とCdx2の両者が発現し続けるが、内側の細胞ではCdx2の発現が低下していることから、外側に位置した細胞では、表層から入力される未知シグナルがCdx2の発現を維持していると考えている。これより、全能性を規定する因子として、Oct3/4と拮抗状態にあるCdx2の存在が重要であり、このバランスが位置情報を受容し、胚盤胞形成を司っているとの仮説を立て、現在検証を進めている。また、これ以外にも、このような外来遺伝子の誘導発現を簡便に行う為のRosa-tetシステムの開発(Masui, et al., Nucleic Acids Res,2005)や、多能性幹細胞に発現する新規Soxファミリー因子Sox15の機能解析(Maruyama et al., J.Biol.Chem.2005)も行った。
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Research Products
(11 results)