2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14082102
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古川 鋼一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80211530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 妙子 宮城県立がんセンター, 研究部, 部長 (50006110)
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Keywords | ガングリオシド / シアリダーゼ / ラフト / ミクロドメイン / GEM / ノックアウト / シグナル |
Research Abstract |
糖鎖質糖鎖の神経系を中心とした生体内における役割を明らかにするために、(1)GM2/GD2合成酵素遺伝子とGD3合成酵素遺伝子とのダブルノックアウト(KO)マウスの表現型の異常とそのメカニズムの解析を進めた。(2)新たにLacCer酵素遺伝子KO、Gb3/CD77合成酵素遺伝子KOマウスの表現型異常とそのメカニズム解析を進めた。 その結果、ダブルKOマウスでは、マウスcDNAアレイの発現プロフィール比較により、神経損傷反応遺伝子群、補体活性化因子の遺伝子群、グリア由来因子の遺伝子群などが明らかな発現変動遺伝子として確認された。また、Gb3/CD77合成酵素遺伝子KOマウスに関しては、ベロ毒素の注入に対して全く反応を示さず、この糖鎖がベロ毒素の唯一の受容体であることが確認された。さらに野生型マウスの脳血管内皮細胞にGb3の発現が認められ、これが標的となってベロ毒素が脳浮腫や組織破壊を起こすことが示唆された。 一方、培養細胞の糖鎖リモデリング実験によって1.小細胞性肺癌におけるGD2発現が抗体治療の標的と成りうること、抗体によってFAKのチロシン脱リン酸化とP38のリン酸化が惹起されてアポトーンスに至ることが示された。また、GD2とインテグリンおよびFAKが免疫沈降実験により共沈することにより、これらが細胞内外で分子複合体を形成して細胞増殖を維持していること、抗GD2抗体がこの複合体を破壊して、anoikisを誘導することが示された。2.メラノーマにおけるGD3の下流において、p130Cas、paxillinが浸潤能の亢進に関与していることが、siRNAを用いた遺伝子制御実験により明らかにされた。さらに、細胞の免疫染色によりGD3とp130Casやpaxillinがリーディングエッジに共局在していることが示された。3.3種のシアリダーゼ遺伝子に加えて、第4のNeu4遺伝子をクローニングし、その構造と発現パターンおよび機能を明らかにした。
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Research Products
(6 results)