2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経系特異的糖鎖シグナルおよび生体防御因子としての動物レクチンの機能解析
Project/Area Number |
14082203
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
川嵜 敏祐 立命館大学, COE推進機構, 教授 (50025706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 正道 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (40367991)
岡 昌吾 京都大学, 医学部, 教授 (60233300)
MA Bruce Yong 立命館大学, COE推進機構, 助教授 (00378788)
川嵜 伸子 立命館大学, 総合理工学研究機構, 教授 (70077676)
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Keywords | 糖鎖 / HNK-1糖鎖抗原 / グルクロン酸転移酵素 / 生体防御 / 動物レクチン / マンナン結合タンパク質 / パターン認識 / 補体活性化 |
Research Abstract |
1.HNK-1抗原(硫酸化グルクロン酸がN-アセチルラクトサミンに結合した珍しい糖鎖)の機能の解明:HNK-1抗原の生合成を担う二種のグルクロンサン転移酵素、GlcAT-PおよびGlcAT-Sのうち、GlcAT-Pは脳、神経系に特異的に発現することがよく知られていたが、本年度の研究により、GlcAT-Sは脳よりもむしろ腎臓に強く発現することを見いだした。また、これらのグルクロン酸転移酵素はゴルジ内で、HNK-1硫酸基転移酵素と分子複合体を形成して存在し、一連の連続した反応を効率よく進めているという興味深い事実を明らかにした。さらに、GlcAT-SのX-線結晶解析に成功し、酵素活性発現に2量体形成が必要な理由を解明した。すなわち、酵素活性中心は、一つのモノマーの触媒部位と対をなす隣のモノマーのC-末端がその一部として関与する基質認識部位よりなることを明らかにした。また、先に構造が明らかにされていたGlcAT-Pとの構造比較により、基質選別機構の原子レベルでの解明が進んだ。 2.申請者らにより発見された動物レクチンであるマンナン結合タンパク質(mannan-binding protein、MBP)の生体防御分子としての機能の解明:MBPによる糖鎖の認識はパターン認識によると言われているがその実体は不明である。しかも、MBPの生理機能である補体活性化作用はそのリガンド糖鎖が細胞など固相表面に存在する必要がある(溶液反応では進行しない)ことが知られているが、その機構の詳細は全く不明である。今年度は、この固相効果の解明に繋がる新しい実験系を確立した。動的光散乱、電子顕微鏡などの物理化学的手法を用いて、補体活性化におけるMBPとリガンド糖鎖との結合の相互作用を解析し、補体活性化作用に必要なMBPによる糖鎖認識パターンの機構解明を進めた。
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Research Products
(10 results)