2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14082205
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木下 タロウ 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10153165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 裕輔 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (00294124)
村上 良子 大阪大学, 微生物病研究所, 教務職員 (00304048)
芦田 久 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (40379087)
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Keywords | GPIアンカー / 小胞体 / 生合成 |
Research Abstract |
酵素、接着因子、受容体など細胞表面の様々な機能を持つタンパク質がGPIアンカーによって膜に結合しており、それらはラフトと呼ばれる膜ドメインに主として存在している。ラフトは細胞表面から内部へのシグナル伝達の起点として働いている。GPIアンカー型タンパク質が持つ様々な機能は、GPIアンカーの合成が正しく制御されて初めて正しく発揮されるはずである。本研究の目的は、小胞体におけるGPIアンカー生合成の調節機構を明らかにし、合成不全症の病態解明につなげることである。小胞体内腔側で、Dol-P-Man/Gluを供与体に用いる糖転移酵素には、N-グリカン前駆体とGPIアンカー前駆体の合成、タンパク質中のセリンへのマンノースの付加に働く酵素など10数種(Alg3,9,12,6,8,10,PIG-M, PIG-B, PIG-V SMP3, PMTs)がある。これらは、全体のトポロジーや活性部位候補アミノ酸が保存されており、ファミリーを形成している。これらER糖転移酵素の制御因子は知られていなかった。我々は、このうちGPIアンカーの第1マンノースの転移酵素であるPIG-Mの制御因子を初めてクローニングし、PIG-Xと名付けた。PIG-Xは、PIG-Mに結合し安定化させる。PIG-Xを欠損したCHO細胞はGPIアンカー生合成活性がほとんどなかった。 GPI生合成の第1ステップに働くGPI-Nアセチルグルコサミン転移酵素は、ヒトでは少なくとも6つの成分を含む複合体である。複合体中に第7成分が含まれることを見出し、遺伝子をクローニングした。GPIアンカー型タンパク質欠損細胞の一つが、その遺伝子を欠損している変異細胞であることを見出し、この遺伝子が実際GPIの生合成に必要であることを示した。
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Research Products
(6 results)