2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14082209
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
遠藤 玉夫 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究部長 (30168827)
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Keywords | 糖転移酵素 / 筋ジストロフィー / O-マンノース型糖鎖 |
Research Abstract |
近年ヒトの先天性疾患で糖鎖異常が原因になっているものが明らかになり、糖鎖の役割の解明が急速に進んでいる。タンパク質のセリンあるいはスレオニンにマンノースが結合した糖鎖をO-マンノース型糖鎖という。O-マンノース型糖鎖の合成に係わる糖転移酵素遺伝子POMGnT1およびPOMT1、POMT2は、それぞれ先天性筋ジストロフィー、muscle-eye-brain病とWalker-Warburg症候群の原因遺伝子であることが分かり、O-マンノース型糖鎖の異常が筋ジストロフィーの原因となることが明らかになった。POMT1、POMT2は培養細胞を用いた強制発現系において、それぞれ単独発現ではO-マンノース転移活性を示さず、共発現した場合にのみ活性の上昇が認められることからPOMT1、POMT2が複合体を形成している可能性が示唆されていた。そこで、O-マンノース転移活性におけるPOMT1-POMT2複合体形成の必要性を調べた。POMT1とPOMT2をHEK293T細胞に強制発現させ、まず細胞内における局在を調べた結果、ともにERに共存していた。次にPOMT1とPOMT2の共発現および免疫沈降実験から、活性発現にはPOMT1-POMT2複合体の形成が必要であることが示された。またWWSに見られるPOMT1の変異は複合体形成には影響せず酵素活性のみを消失させることが分かった。POMT1とPOMT2が複合体を形成する必要性については今後の課題である。O-マンノース型糖鎖の基質タンパク質特異性決定や、触媒ユニットと制御ユニットといった機能分担があるのかもしれない。また、fukutinとPOMGnT1の共発現および免疫沈降実験から、両者は結合してゴルジ体に局在することが示された。また、福山型先天性筋ジストロフィーに見られるfukutinの変異を導入した遺伝子改変マウスではPOMGnT活性が減少していたことから、fukutinがPOMGnT活性に関与することが示唆された。
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Research Products
(7 results)