2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14083202
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 健 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (50109063)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅 豊 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (90235846)
平勢 隆郎 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (30144645)
関本 照夫 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20110083)
栗田 博之 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (30186506)
杉島 敬志 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (80196724)
|
Keywords | 資源 / 人類学 / 自然 / 利用 / 加工 / 所有 / 生業 |
Research Abstract |
本年度は、国内で3回の研究会をおこない(通算第4、5、6回)、海外でのワークショップとエクスカーションを2回実施した。これらの結果を、研究会の成果は、『研究彙報』第4〜6号にまとめ、前年度の成果報告を収録する第2、3号とともに、第4、5号を年度内に刊行できた。本年度は、10月のタイでのカセサート大学の協力のもとにおこなった国際ワークショップ(Multiply Useful Plants)では、多重利用植物を採集活動下の多重利用から、商業生産下の単一利用という広いスペクトラムのもとで、農学、経済、開発などの専門家とともに論じた。これは次年度中に英文モノグラフとして出版される予定である。さらに、染織については、市場経済とそれにかかわる文化社会的な諸要因の関係を分析するための研究会(通算第5回)を開催し、平成16年3月には、インドネシアにおいて、エクスカーションをおこない国際ワークショップを開催した。また、通算第4回研究会では、アフリカ地域の生業様式と資源所有の様相の対応関係について十分な議論をおこない、問題のかなりの部分について明らかになった。とくに、これらの諸集団では、個人による完全な所有(処分、収益、使用権についての)を制度的に妨げる社会組織が存在していることが明確になった。これは、従来、資源を個人が蓄蔵できない移動的な人びとに特異的とされていた所有や思考の様式が、より広い分布と変異をもつことを支持するものであろうと考えられ、さらに、アジア地域に広く検討のデータを求めることが、次年度以後の課題になりた。第6回研究会は、中国近世における土地所有をテーマとしてとりあげた。成果は、『研究彙報』第6号として、来年度に刊行されることになる。
|
Research Products
(12 results)
-
[Publications] 松井 健: "ヒューマン・アニマル・ボンドの進化学"人と動物の関係の学び方(桜井ほか編). 241-268 (2003)
-
[Publications] 松井 健: "自然にまどろむ-生活の質の人類学のために"アジア学の将来像(東京大学東洋文化研究所編)(東京大学出版会). 355-379 (2003)
-
[Publications] 松井 健: "空間の本源的占有とその前後"研究彙報. 3. 3-10 (2003)
-
[Publications] 松井 健: "マイナー・サブシステンスと環境のハビトゥス化"島の生活世界と開発 3 琉球列島(松井編著)(東京大学出版会). 103-126 (2004)
-
[Publications] 松井 健: "那覇の層位学-都市的なるものの南島的形姿をめぐって"都市的なるものの現在(関根編)(東京大学出版会). (近刊).
-
[Publications] 関本 照夫: "比較社会論から見た市場と利得"比較史のアリア(三浦徹ほか編)(東京大学出版会). 165-181 (2003)
-
[Publications] 関本 照夫: "工芸生産に見る市場とコミュニティー"研究彙報. 5. 3-7 (2004)
-
[Publications] 平勢 隆郎: "中国戦国時代における領域支配の正当主張と神話"研究彙報. 2. 18-23 (2003)
-
[Publications] 菅 豊: "「水辺」の開拓史"国立歴史民俗博物館研究報告. 105. 357-380 (2003)
-
[Publications] 菅 豊: "都市の川を現代のコモンズに"水の文化. 15. 14-18 (2003)
-
[Publications] 栗田 博之: "おらが山から石油が出ただ!"研究彙報. 3. 11-16 (2003)
-
[Publications] 曽我 享: "ラクダ遊牧民ガブラにおける所有と信託"研究彙報. 2. 8-17 (2003)