2006 Fiscal Year Annual Research Report
身体資源の構築と配分における生態、象徴、医療の相互連関
Project/Area Number |
14083205
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅原 和孝 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 教授 (80133685)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 由典 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (80137299)
寺嶋 秀明 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (10135098)
太田 至 京都大学, 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (60191938)
松田 素二 京都大学, 大学院文学研究科, 教授 (50173852)
出口 顕 島根大学, 法文学部, 教授 (20172116)
|
Keywords | 狩猟採集民 / 身体技法 / 民俗芸能 / 資源の身体化 / 伝統復興カルト / 配偶子トランスファー / 国際養子 / アイデンティティ |
Research Abstract |
本年度の中心課題は、過去3年半の研究の蓄積に基づいて、研究代表者、分担者、協力者のそれぞれが独自の思考を練りあげ、身体資源論の枠組に沿って理論的統合を図ることであった。 6月、7月、11月、1月に計4回研究会を開催し、成果出版に向けて草稿読みあわせを行なった。昨年度の国際ワークショップ(Circulation of Human Body Parts)の成果論文集の編集を進めた。12月には総括班主催国際シンポジウムに研究代表者、分担者、協力者計6名が参加し発表と討議を行なった。 菅原が8〜9月に約3週間ボツワナにおいて定住化した狩猟採集民の身体資源の変容に関する資料を収集した。9月〜12月の約4ヶ月間、研究支援員の伊藤詞子をタンザニアのマハレ山塊国立公園に派遣し、身体資源としてのチンパンジーと自然資源との関わりについて資料収集にあたらせた。 10月に弘文堂より刊行予定の叢書「資源人類学」第9巻『身体資源の共有』への寄稿原稿が12〜1月に代表者のもとに寄せられ、編集作業を経て3月末までに決定稿が完成した。4部構成で、第1部〜第3部で、身体資源の生成、継承、変容を解明し、第4部で「漂流する自己」について論じた。第1部では、寺嶋、大村、菅原が狩猟採集民を対象に、からだの4象限、他者の資源化、身体資源としての語りについて論じた。第2部では、金子守恵^<*1>と藤田隆則^<*2>が土器作りと民俗芸能における身体技法を解明した。第3部では、作道信介^<*3>と松田が、ケニアにおける資源の身体化、および伝統復興カルトの身体統制を明らかにした。第4部では、石原理^<*4>と出口が配偶子トランスファーと国際養子を主題にしてアイデンティティの撹乱を照射した。最後に高橋は身体の次元から資源放棄の可能性を展望した。 研究協力者所属先:*1 日本学術振興会特別研究員、 *2 京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター、 *3 弘前大学人文学部、*4埼玉医科大学
|
Research Products
(30 results)