2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14083207
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
印東 道子 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (40203418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小長谷 有紀 国立民族学博物館, 民族学研究開発センター, 助教授 (30188750)
関 雄二 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助教授 (50163093)
竹沢 尚一郎 国立民族学博物館, 博物館民族学研究部, 教授 (10183063)
野林 厚志 国立民族学博物館, 民族学研究開発センター, 助手 (10290925)
佐々木 史郎 国立民族学博物館, 民族学研究開発センター, 助教授 (70178648)
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Keywords | 生態資源 / 資源利用 / 狩猟採集 / 象徴化 / 歴史性 / 多様性 / 作物栽培 / 多国籍 |
Research Abstract |
当研究班は生態環境と時間軸という2つの変数を研究の中心に据え、人間集団による資源利用の様態を史的側面から解き明かすことを目的としている。異なる自然環境を研究対象とする研究分担者の今年度の活動実績は以下の通りである。 ・印東は、島嶼居住民における資源利用の再構築のためパラオの離島で発掘予備調査を行った。 ・竹沢は、物質文化の歴史的再構成のためマリ共和国北部で考古学発掘調査をおこなった。 ・小長谷は、モンゴルで乾燥地域における生態資源利用について調査を行った。 ・佐々木は、極東ロシアの先住諸民族の狩猟活動を、持続的な森林利用の一種と見なしながらこれまでに得てきた調査データの整理を行った。 ・関は、古代アンデス文明の形成期(前2500〜紀元前後)におけるトウモロコシの酒としての利用を、人骨のコラーゲンによる食性解析などを逼じて研究した ・野林は台湾と南中国におけるイノシシ(Sus)属の利用の差に関連した文献調査を行った。 ・小川は、フィリピン、ルソン島のラロ貝塚群の発掘調査と出土遺物の分析を行い、狩猟採集社会と農耕社会の交流の歴史的プロセスを探る時間尺度となる土器編年体系を確立した。 ・高宮は、「資源利用」という視点から、鹿児島から沖縄にかけて分布する遺跡出土の植物遺体の鑑定を行い、鹿児島や奄美大島最古のイネやアワを同定した なお、研究会を2回開催し、以下の研究発表が行われた。 ・竹沢尚一郎「西アフリカの気候変動と農業起源」 ・小川英文「北部ルソン島の考古学-石器研究、民族考古学、貝塚調査」
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Research Products
(14 results)
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[Publications] Intoh, Michiko, W.Dickinson: "Prehistoric pottery movements in western Micronesia : Technological and petrological studies of potsherds from Fais Island"New Zealand Arhcaeological Association Monograph(Bedford, S., et al.(eds.)). 25. 123-134 (2002)
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[Publications] 竹沢尚一郎: "熱帯アフリカの太陽信仰"太陽神の研究(松村一男・渡辺和子編)リトン. 上巻. 289-306 (2002)
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[Publications] 竹沢尚一郎: "都市の戦略と物語"URC都市科学. 52. 17-21 (2002)
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[Publications] 小川英文: "ラロ貝塚群赤色土器の様相-無文赤色土器の位置づけをめぐって"外大東南アジア学. 7. 73-96 (2002)
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[Publications] Ogawa, Hidehumi: "Chronological Study on the Red-Slipped Pottery of Lal-lo Shell Middens-Special reference to the non-decorated red-slipped pottery under the shell middens"Journal of Southeast Asian Archaeology. 22. 59-80 (2002)
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[Publications] Sasaki, Shirou: "Hunting activities and forest management of the Udeghe people in Krasnyi Yar in Russian Far East"Russia Country Report 2001 : IGES Forest Conservation Project(Inoue, kakizawa, tachibana (eds.)). 83-103 (2002)
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[Publications] 佐々木史郎: "開かれた系としての狩猟採集社会の研究"国立民族学博物館調査報告. 34. 5-14 (2002)
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[Publications] 野林厚志: "狩猟具としての弩弓:雲南怒族の弩弓製作とその射技"武器の進化と退化の学際的研究-弓矢編-(石井,宇野,赤澤編)国際日本文化研究センター. 117-129 (2002)
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[Publications] 野林厚志: "台湾パイワンのイノシシ猟"『核としての周辺』講座・生態人類学(松井健編)京都大学学術出版会. 91-119 (2002)
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[Publications] Nobayashi, Atsushi: "Retrospect of Taiwan Archaeology : The Japanese Colonial Period"Austronesian Taiwan, (D.Blundell, (ed.)) Shung Ye Museum of Formosan Aborigines. 323-336 (2002)
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[Publications] Takamiya, Hiroto: "Introductory Routes of Rice to Japan : an examination of the southern route hypothesis"Asian Perspectives. 40(2). 209-226 (2002)
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[Publications] 高宮広土: "狩猟採集から農耕へ"国立民族博物館調査報告. 33. 257-273 (2002)
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[Publications] 印東 道子: "オセアニア 暮らしの考古学(朝日選書715)"朝日新聞社. 252 (2002)
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[Publications] 小長谷有紀: "北アジアにおける人と動物のあいだ"東方書店. X365 (2002)