2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14083207
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
印東 道子 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (40203418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹沢 尚一郎 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (10183063)
関 雄二 国立民族学博物館, 研究戦略センター, 教授 (50163093)
小長谷 有紀 国立民族学博物館, 研究戦略センター, 教授 (30188750)
佐々木 史郎 国立民族学博物館, 研究戦略センター, 教授 (70178648)
野林 厚志 国立民族学博物館, 文化資源研究センター, 助教授 (10290925)
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Keywords | 生態資源 / 資源利用 / 狩猟採集 / 象徴化 / 歴史性 / 多様性 / 作物栽培 |
Research Abstract |
研究助成4年度目に当たる2005年度は、各研究分担者がフィールドワークのまとめを行うことを優先し、研究会を5回(春日班との合同研究会「交易と社会成層化」および本特定科研における当班の研究成果をどのように理論化するかに関する4回のディスカッション)を開催した。 各研究分担者の研究成果は以下の通りである。 印東は、島嶼環境への人間の移動によってひきおこされる技術変化と、土器自体の形状変化の関連をモデル化した。 竹沢はマリ共和国での発掘成果を分析し、ほぼ同一の隣接した生態学的環境の中で、国家を生んだ社会と生まなかった社会の違いの背景に、長距離交易の関与があったことを指摘した。 関は権力資源の概念を精緻化するとともに、アンデスの考古学的データによる検証作業を行った。佐々木はロシア連邦の先住少数民族ナーナイの狩猟・漁撈・採集による生態資源の利用方法についての調査を行い、1年間の狩猟、漁撈サイクルや儀礼に関する情報を得た。 小長谷はモンゴルにおける土地私有化制度の導入を、生態資源の象徴化としてとらえ、コモンズ研究に関する理論的展開にも重要な事例を提供することを指摘した。 野林は人間によるSus属の飼育形態について、雲南省西北部において短期的な観察を行った。生業基盤や自然環境の相違に加え、飼育する人間側のSus属へのイメージや考え方が複合的に関係し、比較的自由度の高い飼育形態を生じていることがわかった。 平井は北タイにおいて、ラーンと呼ばれる椰子の分布と、生態資源としての利用様態について現地調査を行った。利用は仏典の記録媒体にほぼ限定され、その知識を有する者が消失しかかっている一方で、最近の伝統文化復興運動に関わる仏教関係者が、ラーンの栽培と、利用法の伝承に積極的に関わりはじめていることがわかった。 小川はラロ貝塚群から出土した、過去7000年にわたる遺物の型式学的編年体系を確立した。
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Research Products
(23 results)