2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14083208
|
Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
秋道 智彌 総合地球環境学研究所, 研究部, 教授 (60113429)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陀安 一郎 総合地球環境学研究所, 研究部, 助手 (80353449)
竹内 望 総合地球環境学研究所, 研究部, 助手 (30353452)
梅津 千恵子 総合地球環境学研究所, 研究部, 助教授 (40294251)
高倉 浩樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (00305400)
池谷 和信 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助教授 (10211723)
阿部 健一 国立民族学博物館, 地域研究企画交流センター, 助教授 (80222644)
口蔵 幸雄 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (10153298)
|
Keywords | 資源管理 / 共有資源 / 生態史 / 回游性資源 / 生態学的移行帯 / 生態学的遷移帯 |
Research Abstract |
本年度は、資源の利用をめぐる空間利用の形態が、(1)生業様式といかに連動するかに関する問題群、(2)資源の存在様式と空間の占有や共有がいかに機能的に関連するか、(3)所有や占有を規定する権力や法体系、経済組織との歴史的な関係が重要な分析枠組になることを研究討論を通じて明らかにした。 (1)については、採集・狩猟、牧畜、漁労、農耕、小商品生産活動などに区分し、さらに実際には複合的な生業が全体として生業複合として営まれるのがふつうであることから、対象とする集団について統合的にその実態を明らかにする必要を確定した。 (2)については、資源が回遊性のもの、生態学的な移行帯、焼き畑の遷移帯、海岸や川岸に漂着する資源、さらにコモンズ・モデルにある牧草地などに類別化することが本研究を進める上で重要な切り口になることを代表者から提示し、議論をふかめ、それにタイオスした文献研究の可能性とその計画を審議し、次年度以降の実行計画の基礎とした。 (3)については、とくにアジア地域において野外調査を実施することを勘案し、社会主義体制(過去を含めて)にあるロシア(旧ソ連)、中国、ベトナム、ラオスなどや、王制をしくタイ、カンボジア、トンガ、ブータンなどを対象とすることの人類学的な意義を検討した。 以上の方法論的な検討とともに、タイ国、インドなどでは、地域の水環境に注目した現地調査を実施し、インドではため池灌漑農業を、タイでは湿地帯における湖沼の所有権・利用権に関して興味ある研究結果を得ることができた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 秋道 智彌: "日本の野生生物と地域社会を考える"総研大ジャーナル. 2号. 36-43 (2002)
-
[Publications] 秋道 智彌: "恋するメコンの大ナマズ"季刊ヴェスタ. 47. 65 (2002)
-
[Publications] 秋道 智彌: "フォーラムとしてのヒトと動物の関係学会を目指して"ヒトと動物の関係学会誌. 12号. 6-7 (2002)
-
[Publications] Ujjayant Chakravorty, Chieko Umetsu: "Basin wide water management : a spatial model"Journal of Environmental Economics and Management. 45. 1-23 (2003)
-
[Publications] 秋道 智彌: "コモンズの人類学 アジアの海と森から"人文書院. 350 (2003)