確率的情報処理への統計力学的アプローチに関する総括研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14084101
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 田中 和之 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (80217017)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 田中 利幸 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10254153) ; 樺島 祥介 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (80260652) ; 西森 秀稔 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70172715) ; 土屋 和雄 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70227429) ; 高山 一 東京大学, 物性研究所, 教授 (40091475)
• Keywords: 統計力学 / アルゴリズム / 数理工学 / 確率的情報処理 / ベイズ統計 / 大規模情報処理 / 情報統計力学 / 統計的手法

Research Abstract

平成14年12月1日公開チュートリアル「確率的情報処理としての移動体通信技術」と題して,池田思朗氏,田中利幸氏,岡田真人氏を講師として,情報幾何,確率伝搬法,神経回路網理論等の確率的情報処理の最先端の理論を駆使したCDMA方式移動体通信技術における若手研究者・大学院生向けのわかりやすいチュートリアルを,東京大手町サンケイプラザで開催した(参加者103名).その際,わかりやすい講義ノートを印刷し,参加者に配布するとともに,ホームページを通して公開した.平成14年12月2日から4日まで平成14年度研究成果発表会を,東京で開催し(参加者131名),今年度の各計画研究代表者の研究成果を公開し,これを講演概要集として印刷し,参加者に配布し,ホームページを通じて公開した.研究成果発表会においては,甘利俊一氏(理研),根本幸児氏(北大)をはじめとする関連分野の最先端の研究者に素人向けのわかりやすい講演を行っていただき,これにより参加者に本特定領域の情報科学・物理学の境界領域としての位置づけを印象づけることに成功した.樺島祥介氏(研究分担者)は平成14年11月13日,計測自動制御学会システム・情報部門学術講演会2002において「情報処理と統計力学」と題するオーガナイズドセッションを企画した.更に,田中利幸氏(研究分担者)は,池田思朗氏(九工大),M. Welling氏(University of Toronto)とともに国際会議Neural Information Processing Systems 2002において分科会として「Workshop on Propagation Algorithm on Graphs with Cycles : Theory and Applications」を提案し,平成14年12月13日-14日,Whistler(Canada)で開催した.本特定領域研究の研究成果を公式ホームページURL:http://www.smapip.eei.metro-u.ac.jp./を通して公開している.

Research Products

• [Publications] Kazuyuki Tanaka: "Statistical-mechanical approach to image processing"Journal of Physics A : Mathematical and General. Vol.35・No.37. R81-R150 (2002)
• [Publications] 田中和之: "ミクロカノニカル分布にもとづく確率的画像修復アルゴリズムにおけるハイパパラメータの自動推定"電子情報通信学会論文誌(D-II). Vol.J85-D-II・No.5. 815-824 (2002)
• [Publications] Toshiyuki Tanaka: "A statistical-mechanics approach to large-system analysis of CDMA multiuser detectors"IEEE Transactions on Information Theory. Vol.48・No.11. 2888-2910 (2002)
• [Publications] Tadaaki Hosaka, Yoshiyuki Kabashima, Hidetoshi Nishimori: "Statistical Mechanics of lossy data compression using a non-monotonic Perceptron"Physical Review E. Vol.66・No.6. Article 066126 1-Article 066126 8 (2002)
• [Publications] Hidetoshi Nishimori: "Derivatives and inequalities for order parameters in the Ising spin glass"Journal of Physics A : Mathematical and General. Vol.35・No.45. 9541-9548 (2002)
• [Publications] Hidetoshi Nishimori, Cryil Falvo, Yukiyasu Ozeki: "Energy fluctuations at multicritical point in two-dimensional spin glasses"Journal of Physics A : Mathematical and General. Vol.35・No.39. 8171-8178 (2002)
• [Publications] 西森 秀稔: "スピングラスと連想記憶(岩波講座「物理の世界」物理と情報I)"岩波書店. 62 (2002)