2002 Fiscal Year Annual Research Report
画像修復アルゴリズムの動的側面に関する統計力学的性能評価
Project/Area Number |
14084201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 純一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30311658)
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Keywords | 統計力学 / 確率的画像処理 / 画像修復 / ベイズ推定 / EMアルゴリズム / 平均場理論 / ダイナミックス解析 / 不完全データからの最尤推定 |
Research Abstract |
本研究は画像修復アルゴリズムの動的側面に関する性能を統計力学的手法により明らかにし、得られる知見をもとに新しい動作原理に基づくアルゴリズムの開発を行うことを主要な目的とする。今年度に得られた主な研究成果は以下の通り。 ○2値画像修復に関する修復過程のダイナミックス及び、EMアルゴリズムによるハイパーパラメータ推定のダイナミックスの平均場模型による詳細な解析 ○Q状態イジング模型による濃淡画像修復におけるハイパーパラメータ推定に対するEMアルゴリズムの平均場近似の性能評価 ○確定的アニーリングEMアルゴリズムの非加法的統計力学による一般化とその性能評価及び、その巡回セールスマン問題への応用 ○多値画像の2値化送信による画像修復の統計力学的性能評価 ○一般化ガウス模型を用いた濃淡画像修復におけるハイパーパラメータ推定の解析評価 3番目の研究成果は画像修復問題と直接関係しないが、不完全データから確率モデルを特徴付けるハイパーパラメータを推定する一般的手法であるEMアルゴリズムを非加法的統計力学により一般化し、その性能を混合分布の推定問題に適用し、その有効性をハイパーパラメータの時間発展を調べることにより解析評価した。この方法は来年度以降、具体的に画像修復の問題に適用し、その有効性を探っていくことになる。 また、上記の結果の多くは平均場近似が厳密に成り立つ模型に関する解析評価であるが、具体的に標準画像に対する平均場近似アルゴリズムの振る舞いと解析計算の整合性をチェックすることは重要である。これは来年度の主要な課題と考える。また、統計力学的手法を用いた動画像処理アルゴリズムの性能評価も視野に入れる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.Inoue, K.Tanaka: "Dynamics of the maximum marginal likelihood hyper-parameter estimation in image restoration : gradient decent vs. EM algorithm"Physical Review E. 65. 016125-1-016125-11 (2002)
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[Publications] T.Tadaki, J.Inoue: "Multistate image restoration by transmission of bit-decomposed data"Physical Review E. 65. 016101-1-016101-13 (2002)
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[Publications] K.Tanaka, J.Inoue: "Maximum Likelihood Hyperparameter Estimation for Solvable Markov Random Field Model in Image Restoration"IEICE Trans. on Information and Systems. E85-D-3. 56-557 (2002)
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[Publications] 井上純一, 田伏克巳: "非加法的統計力学により拡張された確定的アニーリングEMアルゴリズムのダイナミックス解析"電子情報通信学会技術研究報告書(ニューロコンピューティング). NC2002-126. 55-60 (2003)
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[Publications] 田伏克巳, 井上純一: "非加法的統計力学により拡張された確定的アニーリングEMアルゴリズムの巡回セールスマン問題への応用"電子情報通信学会技術研究報告書(ニューロコンピューティング). NC2002-127. 55-60 (2003)
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[Publications] J.Inoue: "A generalization of the deterministic annealing EM algorithm by means of non-extensive statistical mechanics (Invited paper)"Proc. of the international conference on Statistical Mechanics of Threshold Activated Systems. (発表予定). (2002)