2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14084208
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Research Institution | The National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
本村 陽一 独立行政法人産業技術総合研究所, デジタルヒューマン研究センター, 主任研究員 (30358171)
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Keywords | 確率伝搬法 / ベイジアンネットワーク / 確率推論 / 意図推定 / 意思決定支援 / EMアルゴリズム |
Research Abstract |
確率伝搬アルゴリズムの効率的な実装を行い、計算機上で高速に実行するための並列処理、キャッシュ技術を導入して、従来と比べて1.7倍〜最高で100倍の計算速度の向上を達成した。また確率伝搬法の有用性を発揮するための情報工学的応用としてベイジアンネットワークをデータから学習する問題への適用を行った。実際問題において、ベイジアンネットワークのモデルを構築するために大量のデータからの統計的学習により条件付確率パラメータを求める必要がある。しかし、確率変数の値の組み合わせについて必ずしも全ての組み合わせが見られるとは限らない。この場合の欠損を含むデータから条件付パラメータを推定するためにEMアルゴリズムが用いられる。ベイジアンネットワークのEMアルゴリズムの場合には、Eステップにおいて他の変数の値から欠損部の値を推定するために確率伝搬法が適用できる。本研究ではノード数が179の本格的な規模のベイジアンネットワークでのEMアルゴリズムについて、確率伝搬法とサンプリング法のそれぞれを用いた場合の性能評価を行った。その結果、十分実用的な速度でEM学習を実行可能であること、欠損部の条件付確率の近似が可能であることを示した。 確率伝搬法による確率推論をより幅広く工学的に有用な問題に適用するための応用技術の研究も行った。とくにセンサ技術やインターネット技術の発達とともに人間の行動や、意図の推定を実現するための情報技術への期待が高まっており、これらは完全には観測できない情報の処理を含むために確率推論技術の必要性が高い。本研究では人が日常的な環境でとる行動や意図の予測技術の研究を進め、家庭内で起こる幼児の事故予防や自動車運転中のドライバーの支援、インターネットユーザの意思決定支援、アンケートから個人の嗜好性を考慮した携帯電話サービス、などに活用するための技術開発を行った。
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Research Products
(7 results)