2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14085202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
萩谷 昌己 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (30156252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 智 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10334533)
浅沼 浩之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20282577)
陶山 明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90163063)
吉信 達夫 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (30243265)
岩崎 裕 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00029901)
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Keywords | DNAコンピュータ / 生体生命情報学 / 自己組織化 / ナノバイオ / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
萩谷は、形態によって状態を表現し形態変化によって状態遷移を実現する多状態DNAナノマシンの構築を目指している今年度は、入力によって状態が分岐する分子機械の設計と実装を行うとともに、形態が作るエネルギー地形と変化経路を解析するためのアルゴリズムを開発した。また、一次元および二次元の歩道を歩くDNA分子(DNA Walker)の設計を進めた。 浅沼は、分子マシンの光制御を可能にするため、光応答性DNAオリゴマーの設計と実装を行った。trans-cis異性化に伴うT_mの変化は、天然の塩基2つに対してアゾベンゼンを1個の割合で等間隔に9個導入した場合に最大となり、ハイブリダイゼーションの制御能は37℃で最大80%以上に達し、実質的に二重鎖の形成と解離のon-off制御を実現できた 村田は、WinfreeによるDNAタイリングのモデルを拡張し、新たにLayered Tile Model(LTM)を提案した。このモデルは、集合体を形成するタイル(original tile)と、そのタイルの粘着末端を保護するためのタイル(protective tile)を重ねることにより、タイルの状態変化を可能にしたものであり、protective tileを重ねたタイルが集合体に正しく結合した場合に限り、protective tileのみ外れるように粘着末端を設計することで、タイリングのエラー率を大幅に下げることができる。 岩崎と吉信と西川は、AFM陽極酸化パターニングを用いた生体分子の固定方法を開発している。本年度は、酸化物ラインパターンおよび酸化物ドットパターン上に、λファージDNAを固定することに成功した。後者においては、ドット間をワイアリングする形でDNA分子を固定することができた。 陶山は、昨年度の研究で開発された内部コード配列を使用したハイブリッド型DNAコンピュータを用いて遺伝子発現解析のためのDNA分子反応を行い、エンコードのステップにおける分子反応の設計と評価、DNAコンピューティングのステップにおける分子反応と内部コード配列の特性の評価を行った。萩谷は、ハイブリッド型DNAコンピュータのためのコンパイラの開発を進め、整数線形計画法に基づいてテーブルの割り当てと命令のスケジューリングを行うコード生成器を開発した。 山本は、マイクロチップ上での分子計算実現の基盤技術となる微量液体制御機構の開発を行っている。シリコンゴム製マイクロチップ上の疎水性ベントバルブを用いた微量液体制御を、キャピラリ電気泳動に必要な液体操作に応用した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hiroki Uejima, Masami Hagiya: "Secondary Structure Design of Multi-state DNA Machines Based on Sequential Structure Transitions"DNA Computing, 9th International Workshop on DNA-Based Computers, DNA9, Lecture Notes in Computer Science. 2843. 74-85 (2004)
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[Publications] 阿部正佳, 萩谷昌己: "整数線形計画法を用いたDNAコンピュータ制御コードの生成"情報処理学会論文誌プログラミング. (印刷中). (2004)
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[Publications] Liang, X., Asanuma, H., Kashida, H., Takasu, A., Sakamoto, T., Kawai, G., Komiyama, M: "Assignment of the Absolute Configuration of Two Diastereomers and Structure Determination of their Duplexes in the trans-Form"J.Am.Chem.Soc.. 125. 16408-16415 (2003)
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[Publications] W.C.Moon, A.Nishikawa, T.Yoshinobu, H.Iwasaki: "Patterned Surface as a Template for DNA-Based Nanotechnology"proc.2003 Congress on Evolutionary Computation (CEC 2003). 4. 2727-2732 (2003)
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[Publications] J.A.Rose, M.Takano, M.Hagiya, A.Suyama: "A DNA-computing-based genetic program for in vitro protein evolution via constrained pseudomodule shuffling"Genetic Programming and Evolvable Machines. 4. 139-152 (2003)
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[Publications] S.Kaneda, K.Ono, T.Yamamoto, T.Fujii: "Small Volume Droplet-Based Liquid Handling Device for DNA Identification and Quantification by Electrophoretic Separation"Proc Nanotech 2003, Montreux, Lausanne, Switzerland. 4. 200-236 (2003)
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[Publications] 萩谷昌己(編): "数理科学別冊:分子コンピュータの現状と展望"サイエンス社. 200 (2004)