2003 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス感受性シグナル伝達路の制御因子としてのプロテインホスファターゼ2C
Project/Area Number |
14086201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 孝安 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (10221970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 眞理 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (20124604)
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Keywords | ストレス / SAPK / ホスファターゼ |
Research Abstract |
細胞の分化、アポトーシス、ストレス応答に関わる重要な情報伝達経路であるSAPKシグナル伝達路は、MAP3K,MAP2K,JNK/p38の3段階のプロテインキナーゼにより構成されるており、各段階におけるリン酸化による活性化とプロテインホスファターゼによる負の制御がうまくバランスを取ることにより精密に調節されている。本研究では、プロテインホスファターゼ2C(PP2C)の同経路における制御因子としての役割を詳細に解明することを目的としており、本年度は以下の研究実績を得た。 (1)PP2CβおよびPP2CεのTAK1不活性化機構の解明 われわれはこれまで、PP2CβとPP2Cεがともに、IL-1依存性のTAK1の活性化を抑制していることを明らかにしてきたがその機構は不明であった。TAK1の活性化にはその活性化ループに存在するSer192の自己リン酸化と、その近傍に存在するThr187のリン酸化が必須である。我々は、リン酸化状態に特異的な抗体を用いて、PP2Cβが前者を、PP2Cεが後者を脱リン酸化してTAK1を不活性化していることを明らかにし、両者が異なったメカニズムでTAK1の活性化を制御していることを明らかにした。 (2)PP2CεによるASK1の活性制御 PP2CεのTAK1以外のMAP3Kの活性制御の可能性を探るため細胞内での相互作用を検討したところPP2CεがASK1と強固に結合することを見出した。この相互作用は内在性のタンパク同志でも観察された。PP2CεはASK1の活性化に必要なthreonine残基(Thr845)を細胞内において脱リン酸化できることからin vivoでASK1の活性制御に関わっていることが考えられる。 (2)PP2Cβノックアウトマウスの作製 PP2CβのSAPKシステムの制御因子としての生理的意義を明らかとする目的で同遺伝子のノックアウトマウスの作製を進めてきた。現在までに遺伝子破壊部位をホモにもつ胚は第1卵割から第3卵割の過程で致死となり出生しないことが明らかとなった。現在、人工授精の手法を用いて詳細に検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshizaki et al.: "Protein phosphatase 2C as a positive regulator of insulin sensitivity through direct activation of phosphatidylinositol 3-kinase in 3T3-L1 adipocytes"J.Biol.Chem.. (印刷中). (2004)
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[Publications] Li.M.G et al.: "Regulation of the interleukin-1-induced signaling pathways by a novel member of protein phosphatase 2C family (PP2Cepsilon)"J.Biol.Chem.. 278. 12013-12021 (2003)
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[Publications] Kashiwaba.M et al.: "A novel protein phosphatase 2C family member (PP2C) is able to associate with ubiquitin conjugating enzyme 9"FEBS Lett.. 538. 197-202 (2003)
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[Publications] Kudo, T et al.: "Activation mechanism of c-Jun amino-terminal kinase in the course of endodermal differentiation of P19 embryonic carcinoma cells."FEBS Lett.. 539. 29-33 (2003)
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[Publications] Komaki et al.: "Molecular cloning of PP2Ceta, novel member of protein phosphatase 2C family."Biochim.Biophys.Acta. 1630. 130-137 (2003)
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[Publications] Tamura et al.: ""Roles of mammalian protein phosphotase 2C family members in regulation of cellular functions." In Topics in Current Genetics, Arino, J., Alexander, D (eds)"Springer-Verlag. 378 (2004)