2006 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス感受性シグナル伝達路の制御因子としてのプロテインホスファターゼ2C
Project/Area Number |
14086201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 孝安 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (10221970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 眞理 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (20124604)
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Keywords | ホスファターゼ / ストレス応答 |
Research Abstract |
(1)PP2Cεの小胞体上での機能 我々は、以前PP2CεがMAPKKKであるTAK1およびASK1の脱リン酸化を介してSAPKシステムを負に制御していることを明らかにしてきた。今回、我々は酵母2-ハイブリッド法を用いてPP2Cεと相互作用するタンパクの検索を行い、小胞体タンパクであるVAP-Aを見出した。PP2Cεの細胞内局在を検討したところ、PP2Cε自身も膜貫通ドメインを介して小胞体に局在することが明らかとなった。PP2CεはVAP-A依存性にセラミド輸送タンパクCERTを脱リン酸化し、VAP-A、CERT間の相互作用を増強した。このことは、PP2CεがCERTを介したセラミド輸送を正に制御することを示唆している。 (2)PP2CζのJNKによるリン酸化の役割 我々は以前、精巣の生殖細胞に特異的に発現するPP2CメンバーであるPP2CζのSer^<92>およびThr^<205>残基が、細胞内でJNKによりリン酸化されることを明らかにした。引き続き、これらのリン酸化がPP2Cζに与える影響を検討してきた結果、Ser^<92>のリン酸化によりホスファターゼ活性が抑制されることが明らかとなった。さらに酵母2-ハイブリッド法を用いて相互作用タンパクを検索したところ、精巣の生殖細胞に特異的に発現するt-complex testis expressed protein-2 (Tctex2)を同定した。Tctex2はダイナインモーターの構成タンパクであり、機能の制御にリン酸化が関わっていることを示唆する報告がある。現在、同タンパクの脱リン酸化にPP2Cζが関与するかを検討している。
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Research Products
(4 results)