2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14086204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 弘資 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (10313230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一條 秀憲 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (00242206)
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Keywords | ストレス / シグナル伝達 / MAPキナーゼ / アポトーシス |
Research Abstract |
ASK1の活性化において、ASK1自身のホモオリゴマー形成が重要な因子であると我々は考えてきた。そこで細胞内におけるASK1複合体の解析を試みたところ、ASK1は定常状態においてすでにホモオリゴマー形成しており、ASK1の抑制因子であるチオレドキシンとともに2,000kDaにも達する高分子量複合体を形成していることが明らかとなった。さらに酸化ストレス存在下では、このASK1複合体がさらに高分子量化することも明らかとなった。このことはASK1の活性化に際して何らかの制御因子との複合体形成が生じていることを示唆している。そこで我々は酸化ストレス依存的にASK1と複合体形成する因子を検討した。その結果、TRAF2、TRAF6、RIP1といった分子が,酸化ストレス依存的にASK1と複合体を形成することが明らかとなった。さらに、これらの分子についてRNAi法やノックアウトマウス由来の細胞を用いてその必要性を検討した結果、特にTRAF6が酸化ストレスによるASK1の活性化に必須の役割を持つことが示唆された。これらの新しい知見は、TRAF6がIL-1RやTLRなどの細胞膜受容体からのシグナル経路のみならず、酸化ストレスのシグナル経路においても重要な役割を持つということを示している点でも興味深い。現在、TRAF6がどのような制御機構でASK1を活性化しているかを検討している。一方、マウス個体を用いた解析により、創傷治癒後に観察される毛の誘導(毛包の成長期誘導)がASK1ノックアウトマウスにおいて遅延することを新たに見出した。個体の発生過程や成体マウスにおける自発的な毛周期、明らかな組織欠損や炎症性細胞浸潤を伴わない抜毛による毛の誘導には異常は認められなかったことから、ASK1は炎症反応を伴う毛の誘導に重要な役割を担うものと考えられ、現在その分子機構について解析を進めている。
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Research Products
(4 results)